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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2011/06/08 05:26  | 昨日の出来事から |  コメント(1)

RBA、政策金利据え置き


おはようございます。

昨日、RBAは定例理事会を開き、現行金利を据え置くことを決定しました。
理事会後、Glenn Stevens総裁は声明を発表し、これまでは政策金利引き上げにタカ派的でしたが、今回はトーンダウンし、政策金利の引き上げを急ぐ必要のない事を示しました。
主な内容は以下の通りです。

物価は、今度、数四半期において低下し、12カ月以内に我々の目標とするインフレターゲットの範囲内に落ち着くであろうと期待している(5月の時点では、「インフレは引き続き上昇中であり、いずれ金利の引き上げが必要である」でした)。

これを受けて短期金利市場では、「年内の政策金利引き上げはない」との見方に大きく転換し、それまでは、7月には0.25%の政策金利引き上げの内14%を、また、8月には60%を織り込む水準で取引されていましたが、昨日の声明を受けて、今後2カ月間は政策金利の引き上げがない水準まで急落しました。

ICAPのシニアエコノミストAdam Carr氏は「今日のマーケットは非常に混乱している。 何故ならば、最近まではRBAは政策金利の引き上げの必要性を明記していたからである」とコメントし、今日のRBAの様変わりのコメントに驚きを示し、「(RBAの)これまでの声明と今日の声明との間に一貫性がなく、これではRBAに対する信頼が損なわれる」と不快感を示しています。

また、UBSのチーフ エコノミストScott Haslem氏も「8月に発表される2011年第2四半期のインフレ率発表後に、政策金利の引き上げがあるとの我々のこれまでの見方を引き続き支持している」とコメントしています。

ですが、こうしたエコノミスト達のコメントは、これまでの自分のビュー(見通し)に固執するあまり、昨日のRBAの豪経済に対する見方を大きく転換している事を見落としています。
自分の経済見通しに固執しているエコノミストの末路は自ずと知れています。

あわれなるもの、エコノミストの自分の見通しに固執したる。 
いわんや、一国の首相の机にしがみつきたる、いとあわれなり。

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One comment on “RBA、政策金利据え置き
  1. ベルドン より
    据え置き

    混乱・・
    というより・・
    パニックに近いのでは・・?

    EC&米国を見ていたら・・
    利子上げる・・?!
    やはり・・
    RBAは怖くなったのでしょう・・・

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