2009/11/06 06:48 | 昨日の出来事から | コメント(0)
オーストラリアの貿易赤字は続く
昨日、オーストラリア統計局は9月の貿易統計を発表しました。それによりますと、豪の貿易収支は8月のAUD1.65Bnの貿易赤字から9月はAUD1.85Bnの貿易赤字に拡大しました(エコノミストたちの予想はAUD2.1bnの赤字でしたので、予想よりは少ない赤字となっていますが5カ月連続の赤字となっています)。
主な内訳とエコノミストたちの見方は以下の通りです。
(1) オーストラリアドル高にもかかわらず9月の輸出は5%伸びていることは将来の景気に対してプラス要因。
(2) また、今回の輸入の増加は、今後の輸出の増加に結びつくものであり、景気に取って悪い材料ではない(Su-lin Ong, RBC Capital Marketsのシニアエコノミスト)。
(3) 一方で、個人消費部門の輸入が落ち込んであり、今後、クリスマス商戦に向けて消費が伸び悩む可能性が出ている。
(4) 長期にわたる貿易赤字の継続は、国内景気の悪化につながりかねず、更に、今期は、政府の景気刺激策が一巡するため、その懸念が強まるとの見方もあります。
このように、エコノミストの分析や今後の見通しにばらつきが出始めています。 いずれにせよ、市場は今日の数字では景気に対して弱気に反応したようです。
これを受けてオーストラリア株式市場は売られ、更に原油高を嫌気して、今年の9月7日以降の安値を更新して引けました(ASX200は4508ドル)。また、為替市場も豪ドルは軟調な展開となりました0.90ドル台の取引に終始しています。債券市場も売られ、前日の3.3bp金利は上昇(価格は下落)して、5.658%で取引されています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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