2009/11/05 06:53 | 昨日の出来事から | コメント(0)
株高、債券高、金高の後の四角くて丸い話?!
朝から、どこかの中学受験塾のようなキャッチフレーズのような表現ですみません。
先週号の英経済雑誌エコノミストに、最近の株高、金高、債券高の異常な状態を評して「Squaring circle」と題した記事があり、興味深く読みましたのでご紹介します。 主な内容は下の通り。
(1)経済学的には、インフレ期待のある時は、株や金が上昇します。一方で債券の金利は上昇します(価格は下落します)。 また、デフレ期待のある時は、債券の金利が低下し(価格は上昇し)、一方で、株や金は売られて価格は下落します。
(2)しかし、今年に入って6月から9月期の3カ月間は、株も金も債券も10%以上、価格が上昇しました(アメリカのドルベース)。こうした不思議な現象は、過去50年間で2度しかありませんでした。過去においては、市場間の情報や市場の効率も悪かったために、こうした異常な事態は起きても、ある意味、例外的な現象として説明できますが、現代のように、それぞれの市場が効率的になり、情報も豊富に流れる時代になっているのも関わらず、こうした異常事態になるのは如何してか?
(3)考えられる説明としては、(1)ドルの信認が落ちているから金買いに走る投資家がいる。 (2)各国の中央銀行が、自国の国債を大量に買っているために債券の価格が上昇している。 (3)2008年の株の大暴落の後に、株は買い戻されえて自律反発的に株が買われている、等など、考えられることはいくつもあります。
(4)ところで、一番最近に、このように株高、金高、債券高といったトリプル高が起きたのは1980年代でした。そして、その後、それぞれのマーケットはどうなったか?
1980年代の時のトリプル高の後の犠牲者になったのは、株と金でした。 その後、世界経済は10%以上の不況に突入したからです。今回も同様の事が起こりそうです。
以上がエコノミストの記事の主な内容ですが、さて、今回のトリプル高を演じた後の犠牲者は、株か?金か?はたまた、債券か? 皆さんは、どの馬(株、金、債券)に賭けますか?
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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