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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/12/10 05:31  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

ユーロ/ドルのボラティリティは何故低いのか?!

おはようございます。

先々週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。

貿易戦争、(トランプ大統領)弾劾手続き、人気取り政治家の拡散、そしてヨーロッパ中で議会が中断している。地政学に関するシンクタンクが出している「政治的不透明さインデックス」は1997年に作られて以来、最も高い水準あることに誰も殆ど驚かいであろう(それほど政治的に不透明である)。 しかし、その一方で、為替市場で取引されているユーロ/ドルのボラティリティは1999年にユーロ通貨誕生以来で最も低くなっている。

投資家が、年間で400兆ドルも取引されているこの通貨の来年にかけてのボラティリティは6%以下である。11月14日のオプション市場で取引されているインプライド ボラティリティは2007年の金融危機前夜の静かな日々の水準を下回った。

どうして、こうした乖離があるのであろうか?一つの説明としては、両大陸(ヨーロッパ大陸とアメリカ大陸)の金融政策にある。アメリカ連邦準備委員会は2013年に金融引き締めを始め、2015年からは市場からの国債の買取りを削減するテーパリング行い、その結果、市場金利は上昇した。しかし、今年7月には2008年以来、初めて政策金利を引き下げ、金融政策は緩和へとUターンした。パウエル議長は、世界経済の不透明さが緩和の主な理由であると述べている。9月にはECBは、これまで金融緩和の流れで5度目の政策金利を引き下げて-0.5%とした。

これまでの2つの中央銀行の金融政策の方向性の違いが米ドルを押し上げ、ユーロを下げて来た。その結果、米ドルは2014年以来対ユーロで米ドルは22%上昇した。しかし、今や、これら2つの通貨は、それまでの違った方向で動くことをやめた。市場は、今後2年間、ECBの金融政策は変わらないと予測し、連銀は、あと1回政策金利を引き下げると見込んでいる。

2つ目の説明としては、どんなに地政学的な問題が大きくなろうとも、単一通貨ユーロの信認が崩壊するようなヨーロッパの財政問題程重要なものはないという見方である。キプロス、ギリシャ、イタリア、ポルトガルを悩ませている財政赤字に対し、通貨トレーダーはそうしたリスクを価格に織り込んでいる。コンサルタント会社Sentixの調査によれば、今後12か月にユーロ圏を離脱する可能性があると考えている投資家は、(ギリシャ問題のあった)2012年7月の70%を越えている。ユーロ圏崩壊の可能性は、インプライド ボラティリティを一気に押し上げる。更に、最近では、イギリスのユーロ離脱懸念が更に大きくなっている。そして、フランスでは、人気取り大統領ルペンが次の大統領選で選ばれる可能性があり、同様の事(ユーロ離脱)が起こるかもしれない。

今の処、イタリアの10年国債の利回りは静けさを保っている。かつて2011年には7%以上であったが、今が1%を下回っている。イタリア選挙のショックや政治的停滞があるにも関わらず、ユーロ離脱の議論は俎上に上がっていない。Sentixによれば、イタリアのユーロ離脱の可能性は6%である。しかし為替のトレーダーはその数字が上昇するか注意深く見ている。というのも、世界金融危機の時もそうだったように、マーケットが静かだったにもかかわらず、ボラティリティが急上昇し始めるかもしれないからである。

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