2010/11/12 05:46 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、10月の失業率は5.4%に急上昇
昨日、ABS(オーストラリア統計局)は、10月の失業率を発表し、前月の5.1%から5.4%に上昇しました(市場の事前の予想は5.1%から5%へ低下する事を予想していましたので、驚きを持って受け止められています)。 しかし労働者参加比率は65.9%と過去最高になっており、雇用情勢が一概に悪化しているとは言えない数字になっています(ただ、エコノミストの間では、労働者参加比率はテクニカルな要因で上昇しただけに過ぎないと指摘する向きもあります)。
内訳的には、雇用者数は29,000人増加していますが、正規雇用者数は14,100人減少しており、これまでの非正規雇用者から正規雇用者へのシフトはここに来て止まった形になっています。
ANZ Bankのシニア エコノミストのRiki Polygenis氏は、
(1)専門職の求人にタイルするニーズがやや緩んできており、労働賃金引き上げの圧力が弱まってくる可能性がある。
(2)これを勘案すると、2011年にかけては(労働者の賃金上昇からくる)コスト プッシュ インフレの心配は和らぐであろう。
(3)過去1年間に430,000人も雇用が増えていること自体、政府の景気運営の努力の結果であり、今後、RBAが政策金利を引き上げタイミングは、2011年第2四半期になるであろう。
とコメントしています。
一方で、マコーリー銀行のエコノミストBen Dinte氏は、
(1)今回の失業率の上昇には非常に驚いたが、労働市場の潜在的需要はまだ強く残っている。
(2)RBAは、現在は待ちの状態であるが、賃金上昇が再び顕著になれば、再び、政策金利の引き上げを検討するであろう。」
とコメントしています。
また、この日、民間のMelbourne Instituteが、消費者物価に対する期待値を発表し、9月の3.8%から10月は3.1%に低下したと発表しました。 ここに来て消費者の物価に対するインフレ期待が和らいできている事を示しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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