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2010/05/18 05:30  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

OECD加盟国の課税賃金に対する税金の比較


おはようございます。

今週号の英経済雑誌エコノミストにOECD加盟国の課税賃金に対する税金の割合比較の記事がありましたので、ご紹介します。 OECDが比較基準とした課税賃金とは、子供のいない平均的な単身者の手取りに対してかかる所得税と社会保障費を勘案したものです。

これによりますと、賃金所得に対する課税比率の最も高い国(直接税の最も高い国)は、ベルギーで、賃金所得の55%が税金に取られます。 次いで、ドイツ、フランスが50%程度となり、これにイタリア(46%)、スエーデン(42%)、チェコ(41%)、 ギリシャが41%と続き、スペインは40%割れ(39%)の水準に位置しています。

お気づきの通り、ヨーロッパ大陸の国(ユーロ圏)が大半を占め、今回ユーロ各国の支援を受けることになっているギリシャが、他のユーロ圏の国に比べて税金負担が軽くなっています(間接税である付加価値税はここでは考慮していませんが、付加価値税を勘案しても、ギリシャは他のユーロ加盟国対比、税金負担が軽くなっています)。 このことが、今回、支援国(特にドイツ)が支援を渋った理由の一つになりました。 

その後のランキングでは、イギリスが32%程度、カナダが31%、アメリカが30%となっています(アメリカのこの数字は、2008年のリーマンショックを受けて大幅な所得減税をした結果の数字です)。 この下にスイスがきて、ようやく日本の30%がきます(ヨーロッパから見れば、日本はタックス ヘブン(税金天国)に見えるでしょうが、一方で、日本の社会保障(特に失業保険、年金等)は、御存じの通りヨーロッパに比べてお粗末です)。

そして、今、問題になっているユーロのソブリン問題ですが、ユーロ圏では更に税金を引き上げる余地が、他の地域に比べてあまりない事がわかります。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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