2019/03/07 05:32 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、2018年第4四半期のGDPは+0.2%
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2018年第4四半期の豪のGDPは前期比+0.2%で前年同期比では+2.3%でした。内容的には建築関連の生産が住宅価格の下落を受けて急落し、農業も全国的な干ばつの影響を受けて生産が落ち込んでいます。 更に消費者の支出が賃金の弱気上昇を受けて低迷し、輸出は中国の景気失速の影響を受けて減少して景気の足を引っ張っています。
ABSのチーフエコノミストBruce Hockman氏は「今回の低成長の主たる要因は家計支出の低迷と、投資用住宅の急激な減少であり、住宅投資の建築着工許可件数から見ると今後も低迷が続くだろう」と述べています。
これを受けて、JPモルガンのエコノミストSally Auld氏は「今回の数字を受けて、今年後半にかけてRBAは政策金利を7月に1回、8月に更に1回引き下げるであろう」とコメントしています。
また、豪の自然成長率(人口増加率)を勘案すると、今回の数字は一人当たりの経済成長率ではマイナスであり、2018年第3四半期に続いて2期連続でマイナスとなって、一部の市場関係者は「一人当たり経済成長ではリセッション入りではないか」との指摘があります。
こうした指摘に対し、政府のJosh Frydenberg財務長官は「過去において、2000年と2006年のJohn Haward政権時代に2期連続で一人当たりの経済成長が連続してマイナスの時期があった。また、ケビン ラッドとジュリア ギラード政権期では5期連続で一人当たりの経済成長がマイナスの時期があった」と述べて豪経済のリセッション入りを否定し、5月の総選挙を前に現政権のイメージの低下を避ける事に躍起です。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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