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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2010/05/11 05:59  | Weekly Meeting |  コメント(0)

アンケート結果報告(1)


特集:特別企画「日経平均15,000円と7,000円のどちらが先につけるか?」のアンケート結果

1.アンケートご参加のお礼

まずは、ゴールデン ウィークの最中にもかかわらず、たくさんの方のアンケートにご協力いただきありがとうございました。 また、番号でお答え頂いた方、御意見も添えていただいた方、グッチー編集長、ぐっちーポスト編集員、アンケートにご協力いただいた総勢80名の皆様、本当にご協力ありがとうございました。

2.アンケートの目的と趣旨

アンケートの結果をお話する前に、今回のアンケートの設問の趣旨と目的がどこにあったのかについてお話したいと思います。

(1)まず、ゴールデン ウィーク前の日経平均は、11,000円近辺で推移していました。 2009年3月につけた7,000円から4,000円上昇した現在の水準と、この水準から更に4,000円上昇した節目である15,000円を考えた時、皆様はどういった見通しを持っておられるかを知りたかったのです。つまり、これまでのトレンドは概ね上昇トレンドの中にありましたので、一般的には、この傾向が続くと考える傾向があり、今回もどの程度、その傾向が出ているかについて知るのが目的でした。

(2)次に、期間を1年、2年、3年、それ以上と区切った理由ですが、これは、現在考えられるシナリオや材料が、どれくらい将来に亘って続くかと考えていらっしゃるかを知りたかったのです。

(3)あるいは、逆に、弱気相場をお考えの方は、「どれくらいの速さで相場が下落する」とお考えなのか知りたかったのです(一般的には、下落相場の早さは上昇相場の早さよりも早く動くと考えられていますが、今回のアンケートでもそうした傾向はみられるかどうか、に関心がありました)。

3.アンケート結果の数字を見て

(1)まず、強気の方が総勢80名の内、34名と全体の45%を占めました。

(2)一方で弱気の方は、同30名と37.5%を占めました。

(3)どちらもつけないと答えられた方は、同11名で14%を占めました。

(4)強気の方は、2年以内に15,000円をつけると予想する方が最も多く、株価はこれまで1年間の上昇より、今後は上昇するペースが落ちながらも上昇していくとお考えのようです。

(5)一方で、弱気の方は、1−2年以内に7,000円をつけると予想される方がほとんどで、これまで(2009年3月―2010年4月)の上昇の全てを吐き出すと考えていらっしゃるようです。 また、今回のアンケートの結果でも、上昇相場よりも下落相場局面でスピードが速く下落すると予想される傾向が見られました。

(6)また、現在の水準あたりで推移すると考えていらっしゃる方は全体の14%程度でした(実は、もう少し、多いのではないかと考えていたのですが、、、、)。

4.アンケートの御意見を拝見して

アンケートの結果を拝見して、

(1)まず感じたことは、どの御意見も立派で納得させられるものばかりなのに本当に感動しました。 「みなさん、本当によく研究されていらっしゃる!」 考えてみれば当たり前ですよね。 命の次に大事なお金をマーケットというリスクに晒すのですから。 今回の皆様のご意見を窺って、改めて私も、もっと勉強しなければ」との思いを持ちました。内容的には、皆様、多角的に検討されていることを拝見し、今後の検討ポイントにしたい項目もいくつかあり、とても参考になりました。

(2)また、有料サイトの御意見と無料サイトの御意見では、有料サイトの御意見の方が、現状で推移することを予想する向きが多く、無料サイトの御意見では、やや過激な傾向が見受けられました。 これは、有料サイトの御意見の皆様は、実際に売買されておられる方が多い為、現在の水準や現在の環境を肯定的にとらえる傾向があるように思われました。 一方で、無料サイトの御意見の中には、やや過激ともいえる御意見をいくつか拝見しましたが、それらは目先の事にとらわれない斬新な発想と着眼点が多く、将来の起こりうる蓋然性として、とても参考になるものがあったように思います。

5.アンケートを通じて見られた興味深い傾向について: 

『時々刻々と変わる中長期的な見通し』

今回のアンケート期間中(ゴールデン ウィーク中)に、たまたま、ユーロの暴落と世界の株価の下落が起こり、その状況の変化に合わせて、本来は目先の動きとは関係ない中長期的な見通しにもかかわらず、微妙に変化していくことを窺い知ることができました。

例えば、ゴールデン ウィーク中は、当たり前と言えば当たり前なのですが、それまでの過去の傾向値の延長線上で今後のトレンドを予想される傾向が強く表れていました。 しかも、期待や希望も含めて日経平均は、2年以内に15,000円を予想する向きは多かったようです。 逆にいえば、今の相場を下支えしている材料では、1年以内に15,000円をつけると予想するには材料不足と考えている方が多いようです。もしくは、既にこの1年に4,000円も上昇したので、今後も同じ速度で上昇するのは困難と考えていらっしゃる方が多いようです。

そして、興味深いことに、ゴールデン ウィークの後半からゴールデン ウィーク明けにかけて、ユーロが暴落し、世界の株価が急落してくると、それまでの緩やかな強気の見通しから、急に弱気の見方が増える傾向が見受けられました。 特に、1年以内に7,000円をつける超弱気が台頭してきました

しかし、今度は週末になって、世界中の相場がクローズして、週末に落ち着いて今後の見通しを考えられたのか、急激な下落予想は減少し、緩やかな下落予想、あるいは3年以内に15,000円に上昇すると言った、更に緩やかな相場の上昇(もしくは下落)の見通しが散見されるようになりました。

7.中長期的見通し立てることの有効性について

さて「5.アンケートを通じて見られた興味深い傾向について」でも指摘しましたが、ある意味では極めて自然なことでもあるのですが、結局のところ、将来の予測は「目の前に起こっている事」、あるいは、「目先の材料から予測せざるをえない」ところがあって、その結果として、目先に起こっている出来事が急激に変われば、本来目先の出来事とは関係ないと考えられている「中長期的な見通し」も微妙に変化する傾向があった事がわかりました。

このことからわかることは、将来の予測を現時点で考えられる要素で考えるのであれば、「現在の起きていることは長く続かない」と、心しておいた方がいいのかもしれません。 よく言うではありませんか「来年の話をすれば鬼が笑う」と。 しかし、だからと言って目先の値動きばかり追いかけていると、それこそ3カ月から6カ月続くかもしれない大きなトレンドを見過ごすことになり、収益チャンスを逃すことになりかねません。 このあたりのバランス感覚の取り方がとても難しいところです。

結局のところ、実際に資金を投入する際には、3年後や5年後を見越してポジションを作ると言うのは、ある意味、無茶な話なのかもしれません。 よくマクロエコノミストや評論家が「目先の事にとらわれてはだめだ!もっとマクロ的な見方をしないといけない!」ともっともらしく言いますが、確かに話としては理路整然としていますし、説得力があるのは当たり前です。 それもその筈で、自分の設定した仮説で経済や株価など全てを説明するのですから一貫性があるのは当たり前です。 しかし、世の中、そんなに単純ではありません。 

しかもマクロエコノミストとか評論家の傾向としては、当たっている時は「自分の予想が当たっている!」とあちこち吹いてまわりますが、外れた時は「世の中が間違っている!」とか、「あの時には予想もしないことが起きた」と言って、何食わぬ顔です(彼らの話に乗って損した人の事など知らん顔です)。 我々としては、そんな話に命の次に大事なお金をつぎ込むわけには行きません。

結論的には、「将来の予測は、現時点で考えられる材料で予測するのは致し方のないこととして、それは、あまり長く続かないかもしれない」という事を前提にして予想を立てるべきです。また、こうした予想は定期的に修正するべきです。 従って、3年先の長期のワラントや数年先のオプションなど、個人の投資家では、なかなか途中で修正のしづらいものには投資すべきではない」ことが言えると思います。

8. 私の中長期的な相場の見通しの立て方とその考え方

〜 ゴルフボールと、相場は自分の期待する方には転がらない!〜

これまでの分析を踏まえたうえで、私の今回のアンケートの考えについてお話したいと思います。 その前に、少し話が長くなるのですが、私のこれまでの経験から否応なしに身についた哲学についてお話したいと思います。

このコーナーのサブタイトルにも上げましたが、私の相場に対する基本的な考え方は、ここにもありますように「ゴルフボールと、相場は自分の期待する方には転がらない!」です。  読者の皆さんは、これを読んで「前橋の精神構造は歪んでいる!」とか、「お前の考え方は陰気で暗いなあ!」と言われそうですが、仕方ありません。これが私なのですから。 でも、これが、私が50年有余年生きて実際に学んだことなのです。

人生も相場も、なかなか、うまくいませんよね、、、。 遊びでやるゴルフですら、うまくいきません。 「池に入るなよ!」と、あれほど ゴルフ クラブに向かって(!?)気合を入れて念じたにもかかわらず、私がショットしたボールは、ものの見事にしっかり池に吸い込まれていくし、キャディさんから「お客さん!右は林で、その向こうは別のコースで、他の人にボールが当たると危険ですからそっちには打たずに、左はフェア ウェイがこんなに広く開いていますから、そっちに打って下さいね!いいですか!!」と回りくどく言われ、「はいはい、そうですか」と、ゴルフのアドレス(構え)を左に変えたにもかかわらず、 打った瞬間、キャディーさんの鼓膜を突き破るような「ファアアアア〜〜ッ!!!」と叫び声が辺りにとどろき、一緒に回っている悪友達も笑いをこらえながら「ファアア〜!!」。 左に向かって打った筈ボールは、まるで魔物に祟られたかの様に右の林の中にまっしぐら。 「あれ程、右に打たないで!!!と言ったのに、 もう〜!!お客さんったら!!!」と叱られる始末。 

私は、あの「ファアア〜ッ!」を叫ばれると全身から力がどっと抜け、気持ち的には、ただでさえミスショットでガックリしている上に、あの「ファアア〜〜ッ」で情けなさが倍増して家に帰りたくなり、後はボロボロになるのが、私のゴルフのパターンです(今回の相場の話とは関係ありませんが、あの「ファアア〜ッ」って何とかなりませんかねえ、、、、(笑)。

話を相場に戻しますが、相場も、なかなか思うように行きません。 殆どの場合、私が立てた自分の中長期的な見通しや希望的観測は当たりません。と言うか、寧ろゴルフボールと同じように、行って欲しくない方に相場は転がっていきます。
ですから、日頃から私の相場に対する希望的観測は、そういうものと自分では心得ているつもりです。

さて、現在の私の日経平均に関する希望的観測は「日経平均が大きく下がって、株をたくさん買った後、大きく上昇して欲しいのです(何故ならば、私自身の個人のポートフォリオとして、株の割合が低い為)。7000円以下まで下がるものなら、山ほど買いたいのです。買いたくて、買いたくて仕方がないのです。」これが私の本音です。 

と、言うことは、今回の「ゴルフボールと、相場は自分の期待する方には転がらない!」を、当てはめてみますと、「相場は私の期待するほどには大きくは下がらないんだろうなあ」、と言うのが何となく自分自身で予想できるのです(これまでもそうであったのだから、今後もそうであろうと)。

逆に、私として一番困るのは、安く買うことが出来ずに、相場がどんどん上昇してしまうことなのです。 そういう意味では3年以内に15,000円ぐらいに上昇されるのが、安いところでたくさん買いたいと考えている私としては、一番起きてほしくないパターンなのです。 何故ならば、時間だけ経過してしまい、結局、安いところでは何も買えずに相場が上昇してしまうからです。(こんなことは起きてほしくない! でも、だからこそ、相場はそうなる!! 

こんな事ばかりお話していると、読者の皆様に、腹を抱えて笑われ、そのうち愛想を尽かされるのではないかと心配になってきましたので、この辺りにしておきます。)

故に、私は、相場に対しては、極力、希望的観測や、所謂「中長期的な予想を」排除して、今、目の前でついている値段と、それを使って分析できる事(具体的にはテクニカル分析)から、相場の近い将来に起こりうる蓋然性を判断するように心掛けています。私にはそれしかありません。 

今回のアンケートの締めくくりとしてお話したい事は、将来の予想と現実の売買の区別をはっきりつけて売買される事を強くお勧めします。 そして、このことに関する先人達の各言と私の人生哲学を改めてご紹介してアンケートの結果報告を終わらせて頂きます。ありがとうございました。

1.着眼大局、着手小局
2.来年の事を言えば鬼が笑う!
3.ゴルフボールと、相場は自分の期待する方には転がらない !

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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