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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2011/04/27 05:52  | 昨日の出来事から |  コメント(3)

性質(たち)の悪い上司


おはようございます。

オーストラリアは昨日もお休みで、先週の金曜日のグッド フライ デイに始まり、イースター、そしてANZAC Dayと続き、今年は祭日と土日がぶつかったので、今日は振替休日となり、マーケットが長期休暇となりましたので、今日は、自分の過去に経験した事をお話したいと思います。

それは、日本の企業に12年、そして外資系の企業に15年間働き、様々な上司に仕えてきたことの経験です。金融機関で働くと1〜2年毎に上司が替わります。「えっ?そんなに頻繁に?」と、読者の皆様は思われるかもしれませんが、カラクリとしては上司が2〜3年毎に替わり、自分も2〜3年毎に転勤するので、こうなってしまいます。私も、今、指折り数えてみましたが、27年間で14人の上司に仕えました。

さて、これだけの上司に仕えると、その上司の組織の運営方法も様々です。 大半は、前任者の後をそのまま継承するか、たとえ組織変更をしても、ただ部署の名称を変え、あるいはそれまで右から並んでいた組織を左からに並び変える程度だけで、本人は「組織を刷新した」と胸を張って納得し、我々仕える方も「想定内の事」として対応には困らないのですが、時には、非常に性質(たち)の悪かった上司がいて、本当に困ったことが何度かあり、これら性質(たち)の悪い上司達には幾つか共通点があったことを思い出します。

その一つは、既存の組織を悪い方向に破壊してしまう事です。 かつて私の所属した部署は、所謂、現場といって、基本的には営業部門やディーリングをするところなので、部署全体の7割の人員は、所謂ラインと言って前線で直接収益に携わる人が占めています。 残り3割の人が、その部署の企画、損益管理やコンプライアンス、そして事務方といった後方支援で占めます。

ところが、ある時、私が仕えた上司は「企画や研究部門をもっと強化したい!」と打ちだし、それまでのフロントとバックの7:3の人員配置比率を大きくかえて「フロント4割、企画研究開発3割、後方支援3割」の人員配置に変えたのでした。 その上司の目指す理想や趣旨は大いに賛同する処は多かったのですが、そんな事をすればそれまでの収益を維持するどころか、収益を増やすことなど出来っこありません。 程なくして予想通り、業績は悪化の一途を辿り、当初の理想とした「企画と研究で更なる収益構造の拡大」はその実現を見ることなく途中で頓挫し、最後は「そもそも何をするための組織変更であったのか」わからなくなる程、組織が荒みました。

次に、こうした性質(たち)の悪い上司に共通しているのが、やたらと特別チームやプロジェクトを立ち上げてミーティングを行う事です。 私は、外資系会社に勤めていた最後の数年は、在日代表の秘書役みたいな仕事をして、在日代表に対する通訳や業務説明、予算企画や、収益管理、会議のスケジュール管理をしていた為、在日代表の参加する全ての会議に参加していたのですが、これが目を覆わんばかりにひどかった!

その会議ですが、事ある毎に場当たり的に乱立し、しかも参加している人数がやたら多い!(最近、どこかの国の政権運営でも流行っているそうですが)、 そして当初の予定時間を平気で越えて延々と続き、やっと終って次の会議になったと思ったら、なんと参加者の殆どはそのまま次の会議に居残り、替わるのは1〜2名程度。 そして、名前だけが変わっただけのミーティングが、やおら始まるのですが、そのアジェンダたるや、さっきのミーティングのそれとこれまた殆ど同じなのです! 

挙げ句の果てには、コーヒー ブレイクと称して、スター バックスからコーヒーとスナックが持ち込まれ、皆で延々と世間話。 私は「一体、全体、皆で何をやっているんだ!」と何度も憮然としたものでしたが、所詮、私も雇われの身ですので、結局は、皆と一緒になってヘラヘラとしてやり過ごすしかなかった事を思い出します。 その結果は、知れた事、まともな話は何一つ決まらず、決まる事と言えば、業務には直接関係のない経費のかかる話ばかりで会社の業績は悪化の一途を辿るのみでした。

私の様な低俗な人間のした経験と、どこかの国の高尚で立派な首相がリーダーシップを発揮して作った20をも越える本部や会議の運営とは、月とスッポンなのは分かるのですが、それにしても、、似てる、、、あの性質(たち)の悪かった上司達のやり方と、、、、。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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3 comments on “性質(たち)の悪い上司
  1. ycom より
    ぐち、ぼやき、その前に一票を行使しよう。

    私は業種が異なるいろいろな会社に勤めました、上司というか事業部長レベルにも色々な人がいました。
    最悪だったのはとんちかんな指示を得意げにだしまくって組織のモラルと行動力をボロボロにたあげくに、社長には失敗は部下の独走のせいだとうその報告をして責任逃れてた人ですかね。 私はボロボロにされる前に逃げ出しましたが、でも日本からは逃げ難いんですよね、どうしよう。
    株主(国民)が責任を負うんでしょうね。

  2. 公務員・金融機関の悪事は許せん! より
    役所・金融機関では当たり前の行為です(皮肉)

    私も似たような経験が有ります。

    金融機関時代には営業成績は良いのですが、嫌な事は他の行員に押し付け自分の思い通りに行かなかったら八つ当たりする「自分の事は棚に上げ、他人に教訓を垂れる」お調子者がいました(そいつは妻子が有りながら部下の若い女に手を出した挙句、妊娠させて中絶までやってのけた屑でも有ります)。支店長も仕事はロクにせず近所の取引先へ麻雀をしに遊びに行く奴でした。当然こういう企業は存続できず、ライバルの金融機関に救済合併されました。ちなみに、お調子者の中絶野郎は現在、吸収先で本部・審査室のナンバー2だそうです(これで、3年後にまた金融機関が一つ無くなるでしょう)。

    役所時代は、酒・たばこ・プロレス好きの女職員が組合幹部だったので自分の実績づくりの為に、訴訟保険制度が有るにもかかわらず、顧問弁護士を3人雇う為に組合の金を流用同然に使いました(年1000万円くらいだったそうです)。所属の役所は組合の力が強く、マスゴミに報道されても最後まで「勝ち取った労働者の権利」と強弁してカラ残業手当が残ってましたね。また、原爆の日の数カ月前からは平和リレーと称して各支所の職員に有給を取らせてリレーマラソンに参加させたりもしてました。まわりの職員も酷く、セクハラ言動の多い奴が居たのですが(そいつは、中絶野郎の友人だったそうです)、誰一人として女性相談室に報告せず野放しです。まあ、職員全体がモラルに欠けてましたね。心ある2・30代の職員は皆鬱病になって4人体調を崩して休職や退職者も出ましたね。

  3. ベルドン より
    性質

    管邸で・・就職できる職歴・・資格・・応募しますか・?・・・

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