2017/11/21 05:10 | 昨日の出来事から | コメント(0)
益々、偏在する世界の富?!
今週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
金融市場の上昇によって、世界の富は今年の6月までの1年間で6.4%増加し、その増加の速さは2012年以来である。 クレディスイスの世界の富に関するレポートによれば、米ドルベースで百万ドル(日本円で1.1億円)を保有する人の数は世界中で230万人増加した。
また、このレポートによれば、金持ちとそうでない人の格差が更に広がったと指摘している。もし、世界の富が全ての家計に平等に分け与えられたとすれば、一軒当たりUSD56,540ドルになる。しかし、実態は、全ての人口の1%の人が世界の富の半分以上を占め、家計当たりの富の平均値は3,582ドルである。もし、あなたがこの金額より多くの富を保有しているならば、あなたは世界人口の上位50%の富裕層となる。
世界全体で100万ドル以上保有している人の割合は、アメリカでは増え続け、全体の43%を占めている。日本とイギリスは2016年6月に比べて為替が安くなっている為に米ドルベースで100万ドルを保有している人の数は減少している。 一方で、エマージング マーケットの富裕層は増加し、2000年には全体の2.7%しかいなかったが、現在は全体の8.4%を占めるまで上昇している。
この12か月で最も米ドルで100万ドル以上の富裕層を増やしたのは、ポーランド、イスラエル、南アフリカである。 これらの国は株価が大きく上昇し、加えて為替高の影響が大きい。 反対に、エジプトは通貨安で最も減少し、その数が半分以下に減っている。 そうした中、一人当たりの富の平均値が最も高いのはスイスである(一人当たりの富が高い上、スイス フランが高止まりしている為)。
こうした事に加えて世代間のギャップもある。 今世紀に入って20歳以上になった人の多くが100万ドル以上を保有するようになってきているが、それでもアメリカにおける30~39歳台の蓄積は、2007年の同世代が保有していた蓄積の46%しか保有していない。
背景には、学生時代に多額の借金を抱え、更には住宅価格が高いために貯蓄が困難となっている。この世代間の格差が、これから一気にリタイアに向かっているベビー ブーマーの世代(団塊の世代)に逆襲となって跳ね返ってくるかもしれない。 と言うのも団塊の世代の人々が自分の資産を現金化しようとした時、現役世代には買い余力がないために、彼らは現在の高値で売る事が出来ないと気付くかもしれないからである。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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