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2010/10/22 05:24  | 昨日の出来事から |  コメント(2)

ビッグ マック インデックスからみた為替相場再考


おはようございます。

今週の英誌エコノミストの特集にお馴染みのビッグ マック インデックスに関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。これは、御存じのように購買力平価を基本に、それぞれの国でビッグ マックの購入価格をアメリカで買ったビッグ マックと比べて、為替がどれくらい割安(あるいは割高)かを比較したものです。

世界の主要国で最も為替水準が割安なのは、中国で対ドル対比42%も割安となっています(つまり中国の北京か上海でビッグ マックを買うと15.5人民元(USD2.18)ですが、これをアメリカで買うとUSD3.71)となっています)。 続いてマレーシアの40%弱、ロシアの35%の割安通貨が続きます。そして、タイ、メキシコといった発展途上国が続きます。 また、最近、単独介入で自国通貨安政策を推し進めている韓国は、その効果あって?!対ドル対比20%程度割安になっています。

一方で、対米ドル対比、最も割高になっているのがスイスフランで80%も割高になっています。 続いて、昨日の当コラムでもご紹介しましたがブラジルの42%、そしてユーロの29%の割高通貨が続きます。 さて、割高(Overvalue)通貨の国にあって唯一単独為替介入をした「円」ですが、現在は僅かに5%程度の割高に留まっており、日本政府が騒ぐような円高にはなっていません。

IMFは、その時々の為替水準を説明する際に、主に3つのアプローチを行っています。1つ目は、経常収支をバランスさせる観点からの為替レートを説明する方法であり、2つ目は、経常収支を無視して、実際の為替レートを使って統計的な観点で生産性や外国資産や負債を勘案した為替レートを説明する方法です。これによれば、現在高騰しているブラジルは、商品市況の高騰を受けて大豆の輸出が大幅に増大している事が、現在のリアル高を説明する事が出来ます。 そして、3つ目は、外国の資産(外貨準備高)や負債から為替水準を説明する方法です。 7月末時点でIMFが行った中国の為替レートは、これら3つのアプローチのどれをとっても「現在の水準は、かなり割安である」と結論付けています(しかし中国政府はこの結論に悉く反論しています)。

処で、ビッグ マック インデックスに関して、西オーストラリア大学のKenneth Clements, Yihui Lan, Seah Pei Seahの3氏の研究によれば、「ビッグ マック インデックスによる目先的な為替予想は有効ではなく、割安の通貨はいつまでも割安に留まり、割高の通貨はいつまでも割高に留まる傾向がある」と指摘しています(つまり、「ビッグ マック インデックスで為替が割安だからと言って、近い将来においてその為替の割安が是正されることはない」としています)。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “ビッグ マック インデックスからみた為替相場再考
  1. ぺルドン より
    インデックス

    では・・
    代打に・・ホットドックを・・

  2. アシュラ王 より
    あー

    騒いでいるのはメディアであって政府ではないと思いますが(突き動かされての発言等はあるでしょうがw)。

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