2010/10/19 05:42 | 昨日の出来事から | コメント(2)
世界主要国のCDS残高とスプレッド比較
今週号の英誌エコノミストに最近のCDS(クレジット デフォルト スワップ)の残高と、そのスプレッドに関する記事がありましたので、ご紹介したいと思います。
デリバティブ クリアリング会社DTCCが調査したクレジット デフォルト スワップ(Credit-Default swaps: CDSs)の残高については、イタリアのCDSの残高がUSD28.5bnと断トツの残高を占めています。 これは、イタリア国債の発行残高が多く流動性も高いことからCDSでもその流動性の高さから残高も多くなっています。 それに続いては、ドイツのUSD15bnと、スペインのUSD15bnが続きます。 どうしてドイツのCDSの残高が多いかと言えば、CDS同士のスプレッド取引(例えば、ドイツのCDSとスペインのCDSのスプレッドが広がるに賭ける(bet)する際の相手側(ヘッジ)に利用されることが多いためで、ギリシャのように、ドイツ国債の破綻するリスクを回避する為にドイツのCDSが買われているのではありません)。
以上に続いてフランスのUSD13bn、イギリスのUSD11bnが続きます。 実は、イギリスのCDSは、前年に比べて3倍上も残高が増加しており、イギリスの財政規律に対する不安が上昇している事の表れと捉える事が出来ます。
以上が、主要国の「残高」ですが、 一方で、デフォルトリスクの高い「スプレッド」のランキングを見てみますと、ギリシャが断トツの639.9bp(bp: basis point : ベーシス ポイント, CDSの残高はUSD7.5bn)です。 続いてポルトガルの341.8bp(同7.5bn)、スペインの205.4bp(同15bn)、そしてイタリアの180.2bp(同28.5bn)と続きます。
そして、最近、気になるイギリスのCDSのスプレッドが現在は72.9bpとなっており、フランスも70.9bpとジワジワ広がってきています。 ちなみにユーロで一番安全と言われるドイツのCDSでさえ42.9pで取引されています。
今年の5月に、IMFの支援を受けて一旦は、ユーロ危機は落ち着きを見せていますが、それはあくまでも財政規律回復の施策を打つ為の時間(猶予期間)を買っただけで、その成果が出なければ、再び、ユーロ危機再燃の狼煙がいつ上がってもおかしくない状態となっています。 特に、最近では、ギリシャだけでなく、フランスでも年金支給年齢(60歳から62歳)の引き上げを巡って大規模なデモ(350万人規模)が起こっており、財政規律回復の道のりが如何に困難であるかを見せつける形となっています。
ということは、(ベルドン様をまねるようで恐縮ですが)、いづれ、、、 再び、、、 ですか、、、、?!
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “世界主要国のCDS残高とスプレッド比較”
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最近の経済記事や・・数字は・・
ポルノ雑誌を・・読むよりも・・刺激がある・・??・・
隠れて・・読まなくてもいいし・・
刺激が・・足りなくなったって・・!!・・・
週末、米国の30年債・10年債の利回りが上がっていたけど、やはりドル買い。
先輩に「髪の毛一本落ちる音を見逃すな」と教えられましたが、ほんとマーケットに必ず兆候がありますね。