昨日、民間のHousing Industry Association（住宅産業協会）が発表した５月の豪の新築住宅販売実績は、季節調整後で前月比、－４．４％と４月の－４．７％に続いて２か月連続の下落となりました。また、中古住宅販売は、同じく季節調整後で前月比－６．７％でしたが、一方で、新規集合住宅の販売は前月比＋４．９％とリバウンドしています。これについて、RBAとS&Pは、最近のレポートの中で豪の住宅市場について更なる市場環境の悪化を警戒しています。

S&Pは、「住宅市場に大量のマンションなどの集合住宅が供給されており、これが懸念材料となっている。　時に、大都市の中心部（特にメルボルンとブリスベン）に集中し、既存の中古住宅との競争が激しくなり、供給過多になっている」とし、「そこへ銀行の貸し出し抑制政策によって、住宅供給者は買い手に対して受け渡しリスクが増加してきている」と述べています。

その一方で、HIAのエコノミストHarley Dale氏は「今の処、新規住宅販売の上昇トレンドが反転したという兆しはない」と指摘し、「確かに現在は住宅市場の循環的なサイクルの下降局面にあるが、今後１２か月の内に下降トレンドは反転すると期待している」とコメントしています。