2016/06/29 05:59 | 昨日の出来事から | コメント(0)
7月2日の豪のダブル選挙の行方は?!
今週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
現在政権を担っている自由党連合のMalcolm Turnbull氏(彼は親子代々ビジネスマン)が、5月に上院下院を解散して7月2日の同時選挙に打って出た時、当然のことながら彼は両選挙で勝利できる目算があって解散しました。 選挙戦の序盤は彼の思惑通りに有利に選挙戦を展開していましたが、6月に入って労働党党首Bill Shorten氏(弁護士であり、組合の執行部)率いる野党が俄然盛り返し、選挙の動向は混とんとして来ています(特に、彼は公的保険会社Midicareの民営化を巡って労働組合から支持を大きく獲得して勢いに乗っています)。
更に、最近の傾向としてオーストラリアでも2大政党選挙そのものの在り方を疑問視する選挙民が増え、2大政党の間に割って入る形で勢いを伸ばしているBob Brown氏(元医師)率いるグリーン党があり、更には、より独立系の小さな政党も現れて、2大政党政治の在り方に疑問を示している選挙民の受け皿になろうとしています。
とはいえ、現在の野党労働党が政権を取る為には、下院150席の内、改選前議席よりも19議席も多く獲得する必要があり、それは簡単なことではありません。また、前回、政権を担当したKevin Rudd氏とJulia Gillard氏の政争に対して地方や内陸部の保守的地域を中心に今もって批判的な選挙民が多くいます。
そして、今回の選挙の争点は、まずは先にも述べたように2大政党の選挙制度の在り方を問うものであり、個別の争点としては、経済成長をより推進することによって国民生活を豊かにするのか、それとも医療や教育を充実させることによって国民生活を向上させるのか、が問われています。 そして、これに付随して、地球温暖化問題、難民受け入れ問題、同性愛者結婚、等に対する各党の在り方が問われています。
最後に英誌エコノミストは、「直近の世論調査によれば、誰が首相にふさわしいか」についてはMalcolm Turnbull氏が引き続き他の候補を引き離しているが、もし、彼が改選前の議席よりも議席を上積みできないならば、彼の公約が実行困難になる」と述べています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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