2016/06/02 05:25 | 昨日の出来事から | コメント(2)
豪、2016年第1四半期のGDPは+1.1%
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2016年第1四半期の豪のGDPは前期比+1.1%となり、前年同期比では+3.1%でした。事前の市場関係者の予想は+0.6~+0.8%でしたので事前の予想よりも良かったことから、それまで市場に広がっていたRBAによる更なる政策金利の引き下げ期待は一気に後退し、為替指標では豪ドルが他通貨対比で買われました。 また2015年第4四半期のGDPも+0.7%に上方修正されています。
内訳としては、輸出と家計支出が好調でそれぞれ前期比0.5%増加しました。その一方で、公的支出が前期比0.4%減少した事で、これらの増加を相殺する形になっています。 また、鉱山関連は0.9%増加し、金融関係も0.4%増加しています。 これらの増加によって、豪経済は中長期な成長トレンドである+3.2%にほぼ一致する形で経済成長しています。
CommSec のチーフ エコノミスト Craig James氏は「(豪経済に対して弱気な人は)今回の数字は間違っている。 あるいは、現在の豪経済は持続可能でもなければバランスもとれていないと指摘する。 しかし、今回の数字を見れば、何処にもそうした証拠は見当たらない。」とコメントしています。
しかし、その一方でJP Morgan のチーフ エコノミストSally Auld氏は「国内の最終需要は前期比で+0.1%の増加に留まり、前年同期比でも0.9%しか増加していない。我々としては、RBAは8月頃にもう一段の政策金利の引き下げがあると予想している」とコメントしています。
National Australia Bankのチーフ エコノミストAlan Oster氏は「(今回の数字を受けて)RBAは、2016年第2四半期のインフレ率が発表されるまでは、現行の政策金利を維持するであろう。 現時点では、政策金利の変更に対しては中立にならざるを得ない」と述べています。
短期金利先物市場では、8月の政策金利の引き下げを、数字の発表前は49.6%織り込んでいましたが、発表後は43.6%にまで後退(金利は上昇し、価格は下落)しています。 また、6月の政策金利の引き下げについては、10.4%織り込んだ水準から6.8%織り込んだ水準にまで金利は上昇(価格は下落)しています。
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2 comments on “豪、2016年第1四半期のGDPは+1.1%”
パードゥン にコメントする コメントをキャンセル
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オーソトラリアにおける税の補足率はどの程度ですか?
やはり農業とか商業とかでは難しいですか?
クロコダイルさんは、日豪の両方に納税されているのですか?
補足率向上のための特別な仕組みはありますか?
いつもお世話になります。
基本的には、税の捕捉率は、100%です。
といいますのも、日本におけるマイナンバーのように、オーストラリアの18歳以上全ての人にTFN(Tax File Number)が付与されて、所得があろうが、なかろうが全員申告する必要があります。
ただし、オーストラリアの場合のTFNは、読んで字のごとく、税に関する番号であって、これが他の社会保険や年金に適用されることはありません。
ちなみに、私は、オーストラリアの居住者ですので、オーストラリアの地元の税理士を通じてオーストラリアの税法に基づいて税金を納めています。
前橋