2010/04/14 05:17 | 昨日の出来事から | コメント(1)
日本メルトダウンのポジショニングが既に始まっている!!
今週号の英経済雑誌エコノミストでは、久しぶりに日本の財政赤字問題を取り上げています。 その中で、海外の投資家の一部には、日本メルトダウンに向けてポジションニングが始まっているとレポートしています。 主な内容は以下の通り。
(1)まず、エコノミストでは、これまでも指摘してきた3つのトラブル(問題)を改めて指摘しています。一つ目は国債の発行残高の大きさであり、2つ目はデフレが更に進行していることであり、そして3つ目は世界経済が回復基調にある中で、かつてのような輸出主導の力強い景気の回復が見られないこと、を上げています。
1つ目の国債の発行残高ですが、2015年までには国内の金融資産1400兆円を越える発行残高となり、この時期から海外からの資金調達をしなければなりません(現在の低い金利では、海外の投資家は誰も買いませんので、金利上昇圧力がかかります)。
また、2つ目のデフレの進行ですが、昨日(4月13日)、日本銀行が発表した2009年度の企業物価は−5.2%と、1961年の統計以来1986年と並んで過去最大となりました。 また、エコノミストによれば、今後5年間、物価がフラットもしくは下落すると考えている人が全体の35%を占めるほど、物価の先行きに対して悲観的です。
最後に3つ目の企業業績ですが、2008年のリーマンショック以降では、先進諸国の中で、日本が最もダメージが大きく、回復局面では最も遅い国の一つになっており、かつての日本の企業に見られた力強いさがありません。
(2)これを受けて、雑誌エコノミストによれば、ゴールドマン サックスの海外投資家の中には、“日本メルト ダウン”に向けたポジションニングが始まっているとレポートしています。 具体的には、10年国債の金利が上昇する、もしくは、イールカーブがスティープニングするポジショニングです。 また、実際のメルトダウンになれば、キャピタル フライトが起きますので、今から円をフォワードで売るポジションです。 こうしたポジションは、私が外資系で働いていた時にも何度か見かけ、ある程度はその方向に向かいましたが、最終的には、そうならずに現在に至っています。 2015年までを見通せば、現在のようなフラットなイールドカーブが維持できるとは考え難く、今後はこうしたバイアスがかかってくると思われます。
(3)また、これまでも雑誌エコノミストで何度も指摘してきましたが、今の日本は、こうした問題に対して、財務省、日銀、政府、全てが三すくみ状態です。 幸か不幸か、これまで抜本的な改革に手をつけずに何もしなくても危機にならなかった事が、却って当事者の問題意識を弛緩させていると指摘しています。
(4)最後にエコノミストは、日本の財政問題は、これまでのように「何もしないで済む問題」では次第になくなりつつあることを指摘する一方で、残念ながら、日本は、実際にメルトダウンが起こって相当高いコストを払う時が来るまでは何も出来ないのではないか、と半ば諦められている節があります。 そして、日本を除く他の先進諸国に対して、1990年代のバブル崩壊後の日本のように、低い成長率、低い生産性、増える公的債務、そして人々の予想をはるかに超えるデフレプレッシャーの中、それを何とかしようとして、政治家はありとあらゆる失敗をしかねない(だから、日本みたいになる前に手を打たねばならない)と、警告しています。
これって、日本は既に見放なされていますよね。悔しいけれど、ある意味、エコノミストの予想は正しそうです。 それでは、これを受けて、私たち庶民の出来ることは何でしょうか? それは、
(1)キャピタルフライトが顕在化する前(円安が顕在化する前)に自分のお金を外国のお金に交換しておく(具体的には、どの通貨に? 米ドルですか? まさかユーロですか??悩ましい問題です。でも、あります、大丈夫そうな通貨が、、、)
(2)そして、実際にメルトダウンが起きてパニックになった時に、今より安くなった円と、「日本は決して潰れない!」と信じて金利が急上昇した日本の長期国債を買う。
(3)時期的には、2015年頃が一つのヤマ場となりそうです(市場はいつも先取りしますので、実際には、もっと早くなりそうです)。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “日本メルトダウンのポジショニングが既に始まっている!!”
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アエラでぐっちーさんが、看破しているではありませんか・・
「下り坂を制する者が制す」
もし・・このまま世界が下り坂競争を続けるなら・・勢いよく駆けていたランナーがそのまま突っ走れば・・
下り坂をスローペースで長年降りているジャパンが・・トップになるかも知れない・・2015年になるまでに・・ランナーの大部分が転がっているかも知れない・・
生き残りはトップを走ることだけではない・・と歴史はまた教えてくれるか・・??・・・