2016/04/19 05:32 | 昨日の出来事から | コメント(1)
IMF、早くも今年の世界の経済成長を下方修正
今週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
毎年、IMFは世界の経済成長予測を発表し、今年の世界の経済成長率を3.4%と予測しました。 例年のパターンは、年初に希望的観測も込めて高めの数字が発表され、年央辺りに下方修正されていくのですが、今年は、3月の時点で早くも3.4%から3.2%に下方修正し、去年の時と比べても修正時期は早まっています(今年は、去年に比べてより低成長である可能性が大きい)。
こうした中、IMFは「世界的には先進国の経済成長がより低下する一方で、アフリカ経済が比較的堅調に推移し、中国経済もやや持ち直すとしています。また、資源価格の下落も一巡し、底入れ感が出るものの、かつてのように原油が1バレル=100ドルになるようなことはない」と指摘しています。
その意味では、現在の世界の経済は小康状態ともいえますが、その中にあって政治的なリスクの高まりが世界経済に悪影響を与える可能性を指摘しています。 IMFは「ブラジルの政治的混乱がブラジル経済の足を大きく引っ張り、イギリスもEUからの離脱の可能性がより現実的になりつつある」とし、更には「アメリカが自由貿易に対して異論を唱え始めており、ヨーロッパにおいてはギリシャ問題に限らず様々な問題を抱えている」と述べています。
IMFは、「現在の環境においては、世界の金融は緩和基調を維持すべきであると同時に、世界的な金融ショックに対して、各国は協調的な行動を取るべきである。今の世界経済には、政治的な失敗や混乱が許される余地は、もはやはない」と述べています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “IMF、早くも今年の世界の経済成長を下方修正”
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先進国の先行成長を変動相場容認で、新興国に移動した結果ですよ
国連はじめ、国際機関の全体的な見直しをしないと