2010/10/05 05:26 | 昨日の出来事から | コメント(1)
ジャンク ボンド発行市場の復調は鮮明なれど
今週号の英誌エコノミストにリーマン ショック以降のジャンク ボンドの発行市場に関する記事がありましたので、ご紹介したいと思います。
金融情報供給会社Dealogic 社によれば、リーマン ショック前年の2007年第2四半期には、米国債とのスプレッドは300bp(basis point: ベーシス ポイント、利率にして3%)でUSD100bn(日本円で8兆5000億円程度)以上発行されていたジャンク債市場は、2007年第4四半期ごろから2008年にかけて急激に低下し始め、リーマン ショックのあった2008年第4四半期に発行されたのは僅かUSD5bn(4400億円程度)にまで激減しました(この頃「ジャンク債マーケットは死んだ」と言われました)。 この間、ジャンク債発行市場と米国債のスプレッドは一時1800bp( 同18%)まで拡大したのでした。
その後、2009年から2010年にかけてジャンク債発行市場が回復し、2010年に入ってからは、第1四半期でUSD950bn、第2四半期で同750bn, 第3四半期で同900bnと安定的な発行となっています。 発行額としては、リーマン ショック前の水準にまでほぼ回復しましたが、発行コスト(米国債とのスプレッドは、600bn(ベーシス ポイント;同6%)と リーマン ショック以前に比べて2倍もスプレッドが広がったままです。
投資家側から見れば、リーマン ショックが落ち着き、再びリスクを取る姿勢を鮮明にしてきていますが、要求利回りがリーマン ショック以前の2倍近くのスプレッドがないと購入意欲を示さず、 一方で、発行体は、リーマン ショック以前に比べて2倍の調達コストを支払わなければ調達できず、これが企業収益圧迫要因になり、景気の足を引っ張っています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “ジャンク ボンド発行市場の復調は鮮明なれど”
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金縛り・・であります・・