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2010/04/08 05:26  | 昨日の出来事から |  コメント(1)

2009年度の主要国の輸出額に見る“日本の内需拡大の祟り”


おはようございます。

今週号の英経済雑誌エコノミストに2009年の世界主要国の工業製品輸出に関する記事がありましたのでご紹介します。

2009年は世界全体で23%輸出額の総額が減少しました。 その中にあって、日本は前年比−26%と最も減少幅が大きく、続いてドイツの−22%、アメリカの−18%と続きます。中国は−16%で、韓国は−14%と世界の輸出額トップ10の中では、最も少ない現象で済んでいます。

各国の輸出額に目を向けてみますと、中国は1.2兆ドルとなり、ドイツを抜いて世界1位となりました(全体に占める割合は9,6%)。 2位はドイツで、1.1兆ドルで(同9%)と続き、3位にアメリカの10.5兆ドル(同8.5%)となっています。 そこから大きく下がって4位に日本の約0.6兆ドル(全体の4.7%)、5位にオランダの0.5兆ドル(同4%)となっています。

この数字に、私は少なからず驚きました。 まず、2009年に輸出額が前年対比大きく下がるのはどの国でも同様ですが、どうして日本が一番大きく下落するのでしょうか。 お隣の韓国では政府の支援を受けて輸出の下げを輸出国トップ10の中で最も少ない減少に食い止めています。 官民一体となって輸出を支援した韓国と、かたや内需拡大と称して相も変わらぬバラまきをし、借金だけを増やして何食わぬ顔をしている日本でここまで大きく差が出ていることに驚きました。

また、輸出額ですが、最近では「中国に負けた」事ばかりが世間では騒がれ、「人口が多いから負けるのは当たり前」とか、「安物ばかり大量に作っているだけで品質は劣悪」とか、「日本は技術が高く割高なので輸出が増えないのは仕方ない」などと、自己正当化する話を多く耳にしますが、それでは、人口約8,000万人のドイツは輸出額が1.1兆ドルと日本の2倍近くありますが、ドイツの工業製品は中国のように安くて劣悪なのでしょうか?
更に、日本の次のオランダは、人口が僅か1600万人しかいない国なのに、工業製品の輸出額が0.5兆ドルと日本をさほど変らないのはどう説明すればいいのでしょうか?

日本は資源国ではありませんし、農業国でもありません。唯一、工業製品を輸出してその外貨で国を豊かにするしかやっていけない国が、人口8,000万人のドイツの約半分、僅か人口1,600万人のオランダとさほど変わらない工業製品の輸出額では、この国の景気がいいはずがありませんし、将来の成長の目途すら立たないのも当然です。

一刻も早く、1980年代後半に世界から押し付けられた「内需拡大の呪い」を解き、お隣の韓国のように官民挙げて輸出を推進する仕組みの再構築が必要です。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “2009年度の主要国の輸出額に見る“日本の内需拡大の祟り”
  1. ぺルドン より
    祟り

    かって輸出ワンウエイで袋叩き・・その教訓が潜在化か・・トラウマか・・

    ただその数字だけの判断は・・大雑把・・中身が掴めない・・肌理細やかな資料が求められる・・・

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