昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した豪の５月の貿易収支は、季節調整後で前月比AUD２．７５ｂｎの赤字でした（前月比３３％の減少）。　また、同局は４月の貿易収支をAUD4.13ｂｎに上方修正しています。　尚、事前の市場関係者の予想ではAUD２．２５ｂｎの赤字でしたので予想よりも悪化した形になっています。　内訳としては、輸出が０．８％増加する一方で、輸入が４％増加しています。

主な内訳としては、豪の主力輸出商品である鉄鉱石と石炭の輸出が不振であったことが挙げられます。　尚、今回の数字では、中国向け輸出は２０１４年１２月以来の高い水準まで回復しましたが、それでも、前年同月比では７％の減少となっています（これは豪ドル/米ドルの為替要因が大きい）。

Westpac のシニア　エコノミストAndrew Hanlan氏は
（１） 今回の数字では、予想以上に輸出が伸びていないことが分かった。３月に２．２％下落し、４月に６．１％減少した為に５月は大きくリバウンド（拡大）すると予想していたからである。

（２） これによって２０１５年第２四半期の豪の貿易赤字はAUD１０ｂｎに達する可能性があり、これは２０１５年第１四半期のAUD４．５ｂｎの赤字からAUD５ｂｎも悪化し、このことが第２四半期のGDPの押し下げ要因となる。

とコメントしています。

この日の数字の発表を受けて為替市場では、豪ドルは対米ドルで０．７６ドルを割り込みました。