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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2015/03/31 05:29  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

ほどよい円安が永遠に続く?!


おはようございます。

先週号と今週号の英誌エコノミストでは、米ドル高が世界経済に及ぼす影響について特集しています。 先週は。米ドル高が、エマージングの国々に与える影響についてご紹介しましたが、今週は、円安で海外から日本に訪れる大量の外国観光客について特集しています。

読者の皆様もご存知のように、2012年以降のアベノミクスの下、日銀が異次元の金融緩和を実施して以来、円は対米ドルで40%近く下落し、対人民元でも同様に40%近く安くなっています。 それに合わせる形で日本を訪問する外国人の数は、2010年の11百万人から2014年には13百万人台まで30%近くも増加しています。

観光客数の増加は政府がVISAの発行条件を緩和した事もありますが、多くの観光客が自国で買うより日本で買う方が安く、しかも安心して買えるとして電化製品やブランド品を買うところを見ると、やはり円安の影響が非常に大きいことがわかります。

おかげで、北は北海道から南は沖縄に至るまで中国、韓国、台湾の観光客は温泉や買い物を中心に、私の住んでいるオーストラリア人の多くはニセコや白馬にスキーに訪れ、今や日本はちょっとしたアジアの観光ブームとなっています。

さて、今日、3月31日は平成26年度の決算日ですが、現在の円安のおかげで日本の輸出企業の多くは過去最高の決算を向かえそうですし、全国の観光地や百貨店なども外国人観光客のおかげで潤い、「80円台の円高の頃を思えば、現在の円安は非常に結構なことだ」と思われるかもしれません。

ですが、これは何も為替に限らず、株も、債券も、あるいはそれらを含めたその国の経済全体にも当てはまる事ですが、これら全てにおいて、自分たちにとって都合のいい状況と言うものは、一時的にはあっても決して長続きはしません。 それらは、振り子のように必ずどちらかに、しかも極端に大きく振れるのが歴史の語るところなのです。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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