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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2015/03/05 05:23  | 昨日の出来事から |  コメント(1)

豪、2014年第4四半期のGDPは+0.5%


おはようございます。

昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2014年第4四半期の豪のGDPは前期比で+0.5%で、前年同期比で+2.5%となりました。今回の数字は事前の市場関係者の予想よりも若干高い水準でしたが、水準自体は2013年第2四半期以来の低い水準に留まりました。

主な内訳としては、家計支出が予想を上回る+0.9%でしたが、除く住宅の建築実績は前年比9.1%の下落と低迷しています。輸出は、鉱山資源の輸出が回復してきたことに合わせて拡大し、前期比で+7.2%でした(この点は市場の予想を大きく上回りました)。 

地域別ではシドニーやメルボルンのあるNSW州やビクトリア州は前年比それぞれ+3.8%と+2.8%と拡大したのに対して、クイーンズランド州や西オーストラリア州では-3.4%と-1.7%と低迷し、これらの地域は景気後退入りした可能性があります。

また、この日、2014年第4四半期の経常収支が発表され、輸入に対する輸出の割合は、前期比1.7%下落し、2014年通期では11%の減少となり、ピーク時の2011年に比べて25%も低下しています(偏に鉱山資源関連の輸出が低迷)。これによって、企業収益(除く金融)は2014年通期で4.4%減少しましたが、一方で、賃金やサラリーは2.3%上昇しています(これが新規雇用の圧迫要因となり、失業率上昇要因)。 また、家計部門の貯蓄は減少傾向が続き、可処分所得に対する貯蓄の割合は9%と2010年6月以来の低い水準となっています。

また、この日、RBAの政策金利設定担当の理事John Edwards氏が、講演会の中で「豪のGDPは3%に上昇しなければ、失業率の上昇傾向を反転させることができない」と表明する一方で、「昨日、RBAが政策金利の引き下げを見送ったのは、シドニーなどの一部の住宅価格が、今年に入って僅か2か月で14%の上昇していることに我々は懸念を抱いているからである」と発言しました。

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One comment on “豪、2014年第4四半期のGDPは+0.5%
  1. パードゥン より
    国力がいいから、新築投資しないと

     財政、国民教育レベル、いろいろな意味でスイスになり得る力を
    もっているのだから、もっと国内産業の投資をすべきでしょう。
    少なくとも、もっと新築投資しないと価格は余計あがってしまう。

     それにしても、クロコダイルさんお金持ちまっしぐらですね。
    あとはグッチーみたいにガールフレンドが一杯だったら
    いうことなしですね。

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