2014/12/26 05:28 | 昨日の出来事から | コメント(1)
プーチン大統領の賭け?!
今週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
英誌エコノミストは、今回のルーブル暴落の原因は、偏にプーチン大統領の好戦的な態度と、私利私欲と彼の妄想によるものであると断じています。 具体的には、昨年以来ウクライナに侵略進行し、国内にあっては原油やガスのエネルギー輸出で得た膨大な富を自分の身内だけに分け与え、その上で国内経済は他国に依存しなくても自給自足できると妄想している。
その結果、西側諸国からロシアの銀行に対する貸し出し制限を受けてロシアの銀行は軒並み資金繰りが悪化しています。 現時点では、ロシアはUSD370bnドル相当の米ドルやユーロの外貨準備高がありますが、その一方で、対外債務がUSD600bn超もあり、既に一部の銀行や企業では借り換えが困難に陥っています。
今回のルーブル暴落に対する処方箋としては、「短期的な処方箋」と「より長期的な処方箋」が必要であると英誌エコノミストは指摘し、短期的には先週にロシア中銀が、短期金利をそれまでの10.5%から17%まで一気に引き上げて通貨防衛策を打ち出し(同時に為替介入もUSD200bn行い)、 更には、国内資本の流出を制限をすることを打ち出しました。 理論的には目先的な対策としては今回の対応は正しいが、しかしロシアの場合はうまくいっていない。 理由は、投資家は、こうしたパニックにも近い中央銀行の対応に却って不信感を募らせているからであり、 しかも、自国資本の流出を法律で制限するといっても、これまでが汚職と違法行為で腐敗しきった経済運営にあって、突然、法律でもって制限するといっても、そんなものは、全く通用しないからです(腐敗政治を行ってきたことに対する自業自得)。
次に、「より長期的な処方箋」としては、次の2つのことが必要である。 一つ目は、現在侵攻中のウクライナから撤退し、ウクライナや西側諸国と和解し、西側諸国からの経済制裁を撤廃させることであり、2つ目は、これまでのロシアの経済モデルを変革させることである。
しかし、これまでのプーチン大統領の言動からは、1つ目のウクライナから撤退して西側諸国と和解する兆しはなく、更には、2つ目のこれまで身内だけで運営してきた政治体制を変える気もサラサラなく、むしろ外国との関わりを絶って自給自足体制をより推し進めようとしている。
英誌エコノミストは、最後に「プーチン大統領は『ロシア国民は、自分たちの繁栄を(プーチン大統領の)ナショナリズム的な熱狂と交換するほど馬鹿である』ということに賭けているようだ」とし、「我々(英誌エコノミスト)は、彼(プーチン大統領)の賭けが間違っていることを望むと述べています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “プーチン大統領の賭け?!”
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>>「プーチン大統領は『ロシア国民は、自分たちの繁栄を(プーチン大統領の)ナショナリズム的な熱狂と交換するほど馬鹿である』ということに賭けているようだ」
久しぶりに英国流ショートパンチ・・読んだ・・
これで・・読者層・・厚み増す・・に賭けた編集者魂・・
>>、「我々(英誌エコノミスト)は、彼(プーチン大統領)の賭けが間違っていることを望む・・
「望む」ではなく・・「に賭けている」・・
なら・・なお・・マスタード・・効いた・・・(笑)