2010/09/26 08:21 | 昨日の出来事から | コメント(2)
政府日銀に強敵現れる?!
今回の尖閣諸島漁船衝突事故に関する日本の対応について、読者の皆様は色々とお考えがおありの事と思います。 そして、この問題が私の担当する為替にも影響が及んできておりますので、今日はそのことについてお話したいと思います。
先週末、中国要人発言の中に「日本の為替を円高に誘導することも対抗措置の一つ」とありました。
これは、あくまで強硬姿勢を示す一環だと思われますが、それでも、円高を阻止しようとする政府日銀にとっては脅威であり、円高を狙っているヘッジ ファンドや投機家には、強烈な援軍が来てくれたと考えるのではないでしょうか。
データは少し古いですが、2009年6月時点で、中国の外貨準備残高は2.1兆ドルあり、時期はややズレますが、 2010年6月時点での米国債券残高は4432億ドル、ユーロ債券残高は2765億ドル、対外貸し付けが1688億ドルとなっています(残りの約1.3兆ドルは分かりません)。 そして、今年5月以降には、中国は日本の国債を約1兆円(約110億ドル)買い越しています。
この背景には、2005年以降、中国はそれまでの米ドルだけで保有していた外貨準備を次第にユーロにシフトしたと言われています(具体的な残高は未発表)。 しかし、今年のユーロ暴落の過程でユーロの外貨準備残高を減らし、米ドル及び日本円にシフトしてきたと考えられます。 従って中国が為替で円を買い、日本国債を購入したのはあくまでも自国外貨準備金の運用の観点からであって、政治的に円高に誘導することを狙ったものではないことは明白です(何故ならば、尖閣諸島漁船問題以前から、中国は日本国債を買っているからです)。
そこへ、この問題が起きた為に、為替問題を政治的に利用したと考えるのが妥当ですが、今回のように、中国の強硬な姿勢に振り回されてばかりいる日本としては、「相手は何をしでかすかわからない」と戦々恐々となっているのではないでしょうか(ある意味で、中国の狙いはそこにあり、それで十分なのかもしれません)。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “政府日銀に強敵現れる?!”
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心理戦・・
実戦・?・
一発触発・・
どちらに転んでも・・
隣国に・・損はない・・
それ程・・円は価値があるのです・・
ヘソクリが・・輝き始めた・・・
週末、為替介入があったのでは?との噂がありましたが、はたして本当に為替介入があったのかどうか?株と為替の動きをみますと、まず株が動きました、それから「為替介入?」との噂が流れ、そして直後に為替が動いたようにも見えましたね。
外資系の買いというより引きつけて売り逃げ?外資=中国銀行なんでしょうかね?
円買いのポジションを取りたいが、中国の味方になると悩ましいです。