2010/09/24 05:56 | 昨日の出来事から | コメント(0)
世界主要国の鉱工業生産比較
今週号の英誌エコノミストに2008年のリーマン ショック以降の世界主要国の鉱工業生産の推移に関する記事かありましたので、ご紹介したいと思います。 2008年9月時点を100とした時に、中国、インド、ブラジル、アメリカ、ユーロ、そして日本の推移を比較しています。
2008年に以降、最も成長したのは中国で、2008年に以降も基準となる100を一度も割ることなく2010年8月時点で2008年9月対比35%も増加しており、一頃の様な勢いはありませんが、現在も10%を越える成長を続けています。 次はインドで、この国も2008年のリーマン ショック以降、100を割り込むことなく推移し、ここに来てその成長の勢いは増して同25%増となっています。 ブラジルは、中国やインドと違って、2008年9月以降、鉱工業生産は急低下し、一時は80%近くまで低下しましたが、その後は回復して、現在は102%となっています。
一方で、先進国に目を向けてみますと、アメリカは、リーマン ショック以降、2009年3月に85%程度まで低下しましたが、それ以降は回復基調を辿り、現在は2008年9月対比95%程度まで回復しています。 ユーロ圏は、リーマン ショック以降、2009年3月に80%を割り込む水準まで低下しましたが、その後は緩やかに回復するも現在は80%台後半で推移しています。
そして、私達の日本ですが、2009年2月には60%台後半まで急落し、その後は、急回復基調を辿るも、現在は、ユーロ圏とほぼ同水準の80%台後半に留まっています。
リーマン ショックが起きた当時、「日本は、わが国にはサブプライム問題もなく、世界経済危機の影響は最も少ないであろう」と、財界、政治家、市場関係者、みんな口をそろえて言っていましたが、結局、何のことはない、今回の経済危機の一番の被害者は日本だったのです! そして、今もって、その後遺症に最も苦しんでいるのが日本なのです。 当時の日本の政策当局者(自公政権)は、自分たちの国が世界で最も被害の大きかった国としての経済対策や金融対策を行ったでしょうか? また、現在の政権に、そうした認識があるのでしょうか? とてもそのように思われません。
今後の対策として、政府の来年度の目標を例えば「2008年9月の水準まで日本経済を復活させる!」とし、「その為には、何でもやる!!」 具体的には、公共事業の前倒しでも、為替介入でも赤字国債を大量に発行して2008年9月の水準(100円台)まで為替水準を戻すくらいの政策をする必要があるのではないでしょうか? 財政赤字を怖がって、いまや200万人近い国民を生活保護が必要な水準にまで窮乏させておきながら「どこが国民生活第一の政権ですか?!」
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。