2014/09/03 15:55 | 昨日の出来事から | コメント(0)
RBA,政策金利を据え置き
昨日、RBAは定例の理事会を開催し、現行の政策金利の据え置きを決定しました。 これによって13か月連続で政策金利を据え置いたことになります。 理事会後のRBA総裁Glenn Stevens氏の声明の主な内容は以下の通りです。
(1) 労働市場はここにきて回復の兆しが出てきているが、本格的に失業率が継続的に低下するにはまだ時間がかかるであろう。
(2) 今年に入ってインフレ率が一時的に上昇したのは、豪ドルが他通貨対比で下落した要因が大きく、国内要因(国内需要の増大や賃金上昇によるもの)ではない。
(3) RBAとしては、豪の主力産業である鉱山商品価格が下落する中、豪ドルの為替水準は引き続き割高であると考えており、このことが豪経済のバランスの取れた経済成長の阻害要因となっている。
また、この日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した、月の新規住宅建築着工許可件数は、事前の市場関係者の予想であった+1.9%よりも高い+2.5%でした。 ちなみに6月は減少していましたので、今回の数字によって6月の減少は一時的にものであったとの見方が市場内の大勢を占め、引き続き豪の住宅市場は堅調のようです。
JP Morgan のエコノミストTom Kennedy氏は「一戸建て住宅だけでなく、マンションなどの集合住宅も堅調であったため、今後の住宅市場を前向きに捉えることができる」とコメントしています。
更に、この日、同局が発表した2014年第2四半期の豪の経常収支は季節調整後でAUD13.7 bnの赤字でした。 事前の市場関係者の予想はAUD14bnの赤字でしたのでほぼ予想の範囲内の数字となっています。 その一方で、第1四半期の経常収支がAUD5.7bnの赤字からAUD7.8bnの赤字に下方修正されています。 また、第2四半期の純対外債務は第1四半期よりも2%増加してAUD865bnとなっています。
この内、第2四半期の財やサービスは第1四半期に比べてAUD2.6bn減少したことから第2四半期のGDPを0.9%押し下げる要因となっています。 また、鉄鉱石や石炭の輸出価格は今年に入って急落し、このことが貿易赤字拡大の要因となっています(たとえば、鉄鉱石の取引価格は1トン当たりAUD90ドル以下と2008年の金融危機以来低い水準にまで下落しています)。 一方で、数量ベースは堅調に増加していますので、 今回の急落は2013年に豪の鉄鉱業者が2倍近くも輸出価格を引きあげたことに対する反動ともいえます。
明日(9月4日)には、豪の第2四半期のGDPが発表されることになっていますが、事前の市場関係者の予想は前期比対比+0.3%程度の増加に留まるとみています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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