プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2014/08/08 15:18  | 昨日の出来事から |  コメント(1)

豪、7月の失業率は6.4%に急上昇


おはようございます。

昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した7月の豪の失業率は、前月の6%から季節調整後で6.4%まで急上昇し、2002年以来の12年ぶりの高さとなりました。 また、この数字はアメリカの失業率をも上回り、こうした状況は2006年以来のこととなります。 これによって豪の質表者数は79万人を上回って1997年の2月以来の多さとなっています。 特に、若年層と言われる15~19歳の失業率は、前月の17.8%から20.4%まで急上昇しています。

市域別では、鉱山関連産業に依存度の高いクイーンズランド州の失業率が6.3%から6.8%に急上昇し、同州の雇用者数が12,600人減少し、その内、正規雇用者が12,000人も減少していることからもその深刻さが窺えます。

今日の数字を受けて、政府のJoe Hockey 財務長官は、現在は(これまで推進してきた)財政再建などと言っている場合ではなく、今後は議会に対して財政出動を要請し、将来的な経済成長と雇用を創出すべく減税することを約束しました(これまでの政策の完全な見直し)。

こうした事を受けて金融市場では、外国為替市場では今回の予想以上の失業率の急上昇に、豪ドルは他通貨対比で大きく売られ、対米ドルでは発表前の0.93ドル台半ばから0.92ドル台半ばまで下落しています。 また、短期金利市場では、将来的にRBAが0.5%の政策金利の引き下げを織り込む水準まで価格は上昇(金利は低下)しています。

一方で、この日、HIA(オーストラリア住宅産業協会)が発表したPerformance of Construction Indexは、前月比0.8ポイント上昇して52.6ポイントとなり2か月連続で住宅市場は拡大していることを示しましたが、これまで市場関係者が指摘してきたように、現在の豪の住宅関連産業は豪の鉱山関連産業の低迷をカバーするほどの規模も力強さもありません。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。

当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。

One comment on “豪、7月の失業率は6.4%に急上昇
  1. パードゥン より
    期待してるのに通貨高が嫌いみたいですね

     中国はお金持ちになったので、資源と違う需要で中国マネーをひきつけられそうですが、あまり積極的でないのでしょうか?  カナダの真似をして別荘の提供は勿論あるでしょうが、先日の高いオームとか、ようは成金を満足させるものを考えれば良いので、オーストラリアにいろいろありそうすよね。

     内需に真水で財政出動すると日本と同じ運命ですよね。

コメントを書く

* が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。