2014/06/04 14:31 | 昨日の出来事から | コメント(1)
RBA、 政策金利据え置き
昨日、RBAは定例の理事会を開催し、現在の政策金利の据え置きを決定しました。 これによって10か月連続で現行の政策金利を据え置いたことになります。 理事会後のRBA総裁Glenn Stevens氏の声明の主な内容は以下の通りです。
(1) 本日、理事会は現行の政策金利の据え置きを決定した。 前回の政策金利引き下げ後には、豪ドルが対米ドルに対して下落した事によって豪経済の輸出入のバランスが取れたが、ここにきて、鉄鉱石などの鉱山資源が下落しているにもかかわらず、豪ドルは割高に推移している。
(2) 労働市場は、足元的には改善しつつあるが、失業率が継続的に低下していく局面は、まだ先のことであろう。
(3) 今後に関しては、現在の金融緩和政策が豪経済を引き続き下支えし、これまで与えられた経済指標から判断すると、現行政策金利を今後も維持することが妥当である。
これを受けて、Commonwealth Bank のシニア エコノミスト Michael Workman氏は「(本日の声明の中では)、現在の豪経済は鉱山産業以外の産業の改善が見られるものの、引き続き停滞していることをRBAは示している。この辺りの処は、2週間後の議事録の中で精査する必要がある」とし、「(将来的な)政策金利の引き上げは、来年の第3四半期か第4四半期頃になるであろう:とコメントしています。
一方で、短期金融市場では、先月来トニー アボット政権が打ち出した緊縮財政予算の影響を受けて、消費者心理が一気に冷え込んでいることから、今年の8月に0.25%政策金利の引き下げの4分の1を織り込む水準で取引されています。
また、この日、5月末に実施された民間のANZ-Roy Morgan consumer confidence index(消費者信頼感指数)は、前月比+2.9%と、政府が緊縮財政予算を発表して以来、初めて上昇に転じました。
しかし、これは、これまでの急激な下落に対する反動と、来年に向けて楽観的に希望的観測による部分が大きく、足元的には1年前の同じ時期に比べて非常に悲観的になっていることが窺えます。
ANZ のシニア エコノミストJustin Fabo氏も「今回の数字では緩やかに反発しているが、その前の2か月前の水準に比べてまだ12%も低い水準に留まっており、これは一時的にものに過ぎない」と警戒感を崩していません。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “RBA、 政策金利据え置き”
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財政に余裕がある珍しい先進国ですから、国内投資をガンガンして内需拡大が可能でしょう。
なんと言っても南半球に位置している貴重な大陸なんですから、観光資源が超巨大です。 資源を介して友好国になてる中国の人にきってもらって相対的に安価な人で一大サービス産業をつくれるでしょう。 中国人としても、給料が本国なみでも、安心感がぜんぜん違うから、安い給料でも来てくれる人は沢山
大卒を大増産した余波で、知的なレベルの高い人でも、オーストラリには魅了的な労働価格で来てくれるはず
財政的な余裕、南半球という超付加価値を考えると、まだまだ、豪ドルは安すぎると思っている人が多いということでしょう。 グッチーのいうように、貨幣は単純な交易だけでなく、潜在的な国力を反映しているのでしょうから、オーストラリアは眠れる資源が膨大なので、まだまだ、通貨は上がるべき。
(あがるべきとあがるは別なので、投資は自己判断ですがね(笑))
世界的な不況の中、オーストラリアは巨大な島国でなくて、大陸なのですから、世界的な責任を果たすべきと思いますので、クロコダイルさんへの期待はますばかりです。