2014/05/22 14:35 | 昨日の出来事から | コメント(2)
豪、5月の消費者センチメントは急落
昨日、民間のWestpac-Melbourne Instituteが発表した5月の豪の消費者センチメントは、前月比6.8%下落して、前月の99.7ポイントから92.9ポイントに下落しました。このサーベイは、政府が来年度の予算(増税と財政緊縮)を発表した後に、18歳以上の大人1200人を対象に行った集計結果です。この数字では、100ポイントを越えると将来の消費対して楽観的に考えていることを示し、100ポイントを下回ると、反対に悲観的に考えていることを示し、100ポイントから発表された数字の差がその度合いを表しています。
Westpac のチーフエコノミストの Bill Evans氏は
(1) 今回の数字の悪さは、RBAが2011年以降に一連の金融緩和政策を行った水準よりも更に悪い水準であり、明らかに国民は、今回の政府の予算に対して不満と将来に対する警戒感を持っていることを示している。
(2) 確かに、消費者センチメントは、政府予算に対しては過剰反応する傾向があり、2013年6月の予算では、逆に4.7%も上昇した。 しかし、それをも勘案しても、今回の6.8%の下落は異常であり、このままでは景気の下振れリスクが非常に高い。
とコメントしています。
尚、今回の政権与党(自由党連合)が出した新しい予算案(年金支給年齢を70歳まで引き上げるなどの財政削減と増税)が発表されて以来、政権与党の支持率は急落して45%となり、逆に2013年9月に大敗して下野した労働党の支持率が55%まで急上昇しています。
どうやら、今回の政権与党の新しい予算案は、いくら考え方と方向性は正しいといっても、ちょっとやり過ぎのようです。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “豪、5月の消費者センチメントは急落”
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さすがに現地におられるので情報が豊富ですね。 豊かなオーストラリアにも、中産階級崩壊が忍び寄っているのは意外でした。 もう少し教えてください。
中国記事ではシャドーバンキング、日本ではサラ金とか言われているような高金利貸し出し業はオーストラリアでもありますか?
年金の支給が遅くなり、学生の学費負担も大きいとすると、オーストラリアでの名称はわかりませんが銀行以外からの借金が増えざるをえないと思いますが、貸出規模は大きいですか? 金利はどのようになっていますか?
もし金利が高いとすると、就職できなかった新卒は大変ですね。
アメリカも大学投資は就職で必ず回収できたから良かったけど、ここ数年は大変みたいです。
いつもお世話になります。
オーストラリアの方でサラ金や高利貸しの話は聞いたことがありません。おそらく監督官庁規制当局がこのあたりはしっかり管理しているのだろうと思います。
本当の意味での闇金融については、私たち海外からの移住者には見えないだけなのかもしれませんが、少なくとも公共放送で、こうした闇金融について取り上げたニュースは見たことがありません。
金利水準については、日本のようにゼロ金利政策が長く続くと、こちらの金利の高さに驚かれると思います(その一方で、預金にも日本に比べれば高い金利が付きます)。
政策金利が2.5%で、預金金利は1年もので3~3.5%です。 一方で、貸出金利は貸出期間5年で6%以上(貸し出す相手によってさらに金利が上乗せされます)です。
このように預金と貸出金利の利ザヤが昔から恒常的に大きくく(おそらく、金融監督官庁によって、他業態からの参入が厳しく規制されている事と様々な面で保護されている為)、今、オーストラリアでは、銀行の儲けすぎが取りざたされるほど、豪の金融機関は儲かっています。