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2014/04/15 14:27  | 昨日の出来事から |  コメント(2)

豪のコメ農家、日本とのETF合意に失望


おはようございます。

先日、豪のトニー アボット首相が日本を訪問し、2007年の第1次安倍政権以来、交渉が続けられていた日豪ETF協定が締結される見通しとなったことは、読者の皆様もご存じの通りです。 主な内容としては、日本は、豪からの牛肉輸入に課されていた38%の関税を20%程度まで下げ、その一方で、豪は、日本からの自動車の輸入に課されていた5%の関税を段階的に2017年目途に引き下げるというものです。

実は、この交渉妥結に向けて、豪政府は着々と手を打っていました。 と言いますのも、彼らは、これまで毎年のように税金投入で辛うじて維持していた国内唯一の自動車メーカー ホルデンの国内生産を2017年で打ち切りに追いやりました。  これによって、これ以上の無駄な税金の垂れ流しを食い止めることが出来ました。 一方で、韓国や日本からの自動輸入の関税を撤廃することで、国民に自動車を安く提供できる環境を整え、その上で、日本に豪の主力農産物である牛肉の関税引き下げを要求してきたのでした。

日本にしてみれば、車の関税撤廃を勝ち取り、一方で、牛肉に関しては、関税を撤廃せずに引き下げで済んだことで、一見、両者とも(Win-win)に見えますが、実は、今回の交渉は日本にとっては、ある意味で大勝利ということが出来ます。 といいますのも、コメの分野に関しては、今回の交渉協議から外すことに成功したからです。

今回の合意に対して、怒り心頭なのが当然のことですが豪のコメ生産者です。
RAA(Ricegrowers’ Association of Australia:豪コメ生産者協会)は、
(1) 今回の結果に、我々は非常に失望した。 豪の日本に対するコメの輸出は62万トンまでは関税なしで輸出できるが、それ以上の輸出に対しては1トン当たり3,700ドルの関税が課されている。
(2) 韓国のETF交渉でも豪のコメは交渉合意の対象から外され、今回、日本との交渉において、我々は、中国に対するコメの輸出実績を上げることを要求された。 しかし、その中国に対しては、豪のコメの検疫を理由にいまだに輸出が実現していないのである(日本は、それが出来ないことをわかっていて我々に要求したに過ぎない)。 我々のコメは世界で最も効率よく、また品質も高い!

と、憤懣やるかたありません。 私個人としては、確かに、豪のコメは普通に食べることはできますが、やはり、日本のコメに比べれば、「まだまだだ」と思っています(日本のコメは本当においしいのです!)。

今回のオーストラリア政府の判断は、豪のコメ輸出関税だけの理由で、先の韓国、そして今回の日本とのETF協議が先送りされる事よりも、足元の牛肉関税引き下げと、豪の鉱山資源の将来的な安定供給の確保に重きを置いた結果と言えます。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “豪のコメ農家、日本とのETF合意に失望
  1. パードゥン より
    日本の米は輸出力ないですか?

     そんなに美味しいなら、日本の米を豪に買ってもらえそうですか?
    高すぎますか?   価格差はどれくらいですか?

      アメリカは、まず戦後の日本の給食のパン化に援助して、後のマックの下地をつくったようですが、豪の学校給食に日本の米を無償提供して味を覚えてもらるのはどうでしょうか?

      それと、豪ドル月間レポートは、当然、有償読者だけで結構ですよ。

  2. maehashi より
    パードゥン 様

    いつもお世話になります。

    はい、こちらでも千葉産のコシヒカリを売っていますが、この千葉産のコシヒカリ5kgはAUD25ドル(日本円で2400円)で売っているのに対して、豪の米は10ドル(950円)程度ですので2.5倍の価格差があります。

    それでも、台湾から豪に移民したお金持ちは、喜んで買っています。
    私はといえば、 悔しいことに、お正月とか、お寿司を作るときなどに買う程度で、日ごろは、豪のお米で我慢しています。

    (おそらく、豪は日本の米に対して日本が豪に対してかけている関税と同様の関税をかけている思われます)。

    前橋

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