2014/02/14 15:19 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、1月の失業率は6%に上昇
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した豪の1月の失業率は前月の5.8%から6%に上昇し、2003年7月以来の高い数字となりました。 主な内訳としては、正規雇用者が7,100人減少し、非正規雇用が3,300人増加して全体で3,700人の減少となっています。 一方で失業者が728,600人に増加し、1998年アジア通貨危機以来の高い水準となっています。
事前のエコノミストの予想では15,000人の増加を見込んでいましたので、予想以上に悪い数字となっています。 また、労働参加率は64.5%と前年同月比で1%減少しています(仕事を探すことを諦めた人が多い為に労働参加率が減少しています)。
この数字を受けて豪ドルは急落し、発表前の0.90ドル台前半から0.89ドル台前半まで値を下げています(対円では、92円台前半から91円台前半まで急落)。
現在のトニー アボット豪政権は、先の総選挙では5年以内に100万人の新たな雇用を創出すると約束しましたが、現政権発足以降、雇用は逆に10,000人減少し、現政権にとって頭痛の種となっています。 彼らの目標とする5年で100万人の雇用総創出を達成する為には、今後、毎月17,800人の新規雇用を創出する必要があります。
こうした事から、野党である労働党党首Bill Shorten氏は「トニー アボットが総選挙で公約した事に対して大きな疑問を投げざるを得ない。 また、一体、トニー アボット政権は何をしているのか?」と対決姿勢を露わにしています。
これに対し、現政権のJoe Hockey財務長官は、「今回の数字は概ね予定通りの結果であり、ひとえに前政権(労働党政権)が、予定されていた経済成長率を長期に亘って下回っていたにもかかわらず、何もしてこなかった結果である」と過去の政権のせいにして応酬しています。
いずれにせよ、豪の雇用問題が、今後の政治を左右しかねないまで事態は深刻化していることだけは確かなようです。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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