2014/01/15 15:27 | 昨日の出来事から | コメント(1)
豪、既に愛想を尽かされ始めたトニー アボット政権
先週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
昨年9月にそれまで担っていたケビン ラッド労働党政権から大差で勝利した自由党連合のトニー アボット政権でしたが、成立して4か月しかたっていないにも関わらず豪の世論調査では、現政権の支持率は48%しかなく、下野した労働党の支持率が52%と逆転してしまいました。
その大きな理由としては、公約の反故と前政権が成立させた法律を破棄した事が挙げられます。 例えば、前の政権中はインドネシアからの亡命希望者の船が連日のようにオーストラリアに漂着し、自由党連合はこれを阻止することを選挙公約に上げていました。 しかし、選挙に大勝利して彼らがやった事と言えば、それまで発表していた亡命者に関する数字をマスコミに非公表にすることで「我々の政権運営後はインドネシアからの亡命者はゼロになった」と姑息な嘘をいう手段を取ったのです。
実際には、彼らが政権を奪取した後も連日のように亡命希望者の船が漂着していることが最近のマスコミの調査で分かり、国民はこうしたトニー アボット政権の国民をバカにしたような政治手法に激怒しています。
更に、前政権(ジュリア ギラード労働党政権)に成立させた今後5年間の豪の学校教育支援プログラム(ゴンスキー プログラム:予算額にしてAUD5bn;日本円で約4700億円)に関しては、その法制定には各州の首相(premier)の合意を取り付けることが必要であり、各州の首相(premier)にの中には政権与党の労働党とは反対の州首相もいましたが、ジュリア ギラード首相 (こちらはPrime Minister)が各州を説得して回ってようやくこぎつけたのです。
にもかかわらず、この法案を現在のトニー アボット自由党連合政権が、いとも簡単に破棄した事に対し、同じ自由党連合の州首相(Premier)から反発を受けるほど、トニー アボット政権は迷走しています。
英誌エコノミストは、一般的には政権誕生後の最初の100日は「政治的な蜜月」と言って、政治的にはうまくいく期間にもかかわらず、トニー アボット政権は既に国民から愛想を尽かされていることに半ば呆れかえり、「次の選挙は2016年までなく、それまで十分な時間があるので、ここは、政治的にも政権基礎固めに専念すべきである」と半ば「余計なお世話」交じりに忠告しています。
こんな調子では、次の選挙のある2016年まで、豪は政治的に混乱しそうです。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “豪、既に愛想を尽かされ始めたトニー アボット政権”
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政治的先進国豪州・・
政治的後進国日本・・前政権の轍・・
役に立たなかったか・・・(笑)