昨日、民間のＨＩＡ　（Housing Industry Association：オーストラリア住宅産業協会）が発表した４月の新築住宅販売は、季節調整後で前月比６．％と上昇しましたが、前月が９，４％も下落した反動に過ぎず、年同月比では２４．２％と減少したままです。　また、先月に限って言えば、中古住宅販売も６．４％増加し、マンション販売も１０．３％増加しています。

Ｎａｂ（Ｎational Australia　Bank）のエコノミストDavid De Garis氏は、今回の新規住宅販売の上昇は、「今月初めのＲＢＡによる大幅な政策金利の引き下げによるものではなく、むしろ、ビクトリア州で新規住宅取得に対する税制優遇の期限を切れるのを前に駆け込み需要によって増加したもの」と指摘し、「今後、政府が景気刺激策をとらなければ、豪の住宅産業は２０１１年〜２０１２年の住宅不況再燃の可能性がある」と将来に対する悲観的な見方を変えていません。

また、CommSecの　チーフエコノミストCraig Jamesも「住宅産業が低迷すると、その影響は、豪経済の広範囲にわたり、再び景気低迷に苦しむことになる」と警戒感を示しています。