2013/08/20 14:24 | 昨日の出来事から | コメント(0)
EUのGDP、久々のプラス成長なれど!?
今週号の英誌エコノミストに2013年第2四半期のEUのGDPがプラスになったことに関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
読者の皆様もご存じのように、EUの2013年第2四半期のGDPはプラス0.3%(年率換算でプラス1.1%)と18カ月ぶりにプラス成長に転換しました。
この内訳としては、ドイツがプラス0.7%であり、オランダも同じくプラス0.7%、そしてフランスも(驚いたことに)プラス0.5%でした。 特筆すべきは、南欧のポルトガルがプラス1.1%と大きく改善しています。 こうした足元の経済成長が為替市場ではユーロ買いを誘発させているようですが、英誌エコノミストは、EUの今後の経済成長の持続性に大きく疑問を投げかけています。
と言いますのも、足元の景気が回復したと言っても、2008年のリーマンショック時に比べて経済が成長しているのは、先進国ではアメリカの5%とドイツの2%だけであり、他のEU諸国を始め、イギリス、そして私たちの日本もまだ当時の水準を下回ったままなのです。特に、南ヨーロッパのそれはひどく、例えばギリシャでは2008年の水準に比べえ23%も減少し、アイルランドは10%、イタリアでは約9%、ポルトガルでも7,5%、スペインで約7%の減少となっています。
こうしたマイナス成長の何がいけないかと言えば、これによってそれぞれの国の銀行の大量の貸し出しが不良債権化し(担保価値の下落)、それが経済の足を大きく引っ張るからなのです(私達は、1990年台の日本の不良債権問題でこれを痛い程、経験しました)、
ましてや、今回のような弱い経済成長では、ユーロの各国が抱えている社会的もしくは政治的不平不満を解消するには程遠く、もっと高い経済成長を可能にさせる為のより高いレベルのEU統合と、経済をより活性化させるために規制緩和が必要であるとしています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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