2013/06/27 15:37 | 昨日の出来事から | コメント(2)
豪、党首に返り咲くケビン ラッド氏
昨日、オーストラリアの政界ではショッキングな出来事が起こりました(と言いますか、「いつかは起こる」と言われてきたことではありましたが)。
それは、2010年6月当時にオーストラリア首相であったケビン ラッド首相が、当時副首相であったジュリア ギラード副首相がケビン ラッド首相の支持率急落に乗じて謀反を起こして党首選挙の申し入れをし、全く準備をしていなかったケビン ラッド前首相は、党首選を行うことすらできずに涙の辞任をしたことに始まり、あれから3年の間に、2度もケビン ラッド陣営はジュリア ギラード陣営に対して党首選を挑みましたが悉く敗退し、「もう2度とケビン ラッド氏は党首の座を狙えないだろう」とまで言われながらも、今回、3度目の党首選挙でケビン ラッド氏が返り咲きを果たしたのです(選挙結果は57票対45票でケビン ラッド氏の勝利)。
この背景には、3年前にケビン ラッド氏の寝首を搔き切って首相になったジュリア ギラード労働党政権の人気は、その後、一度も野党である自由党連合の支持率を上回ることなく、ここにきてその差は広がる一方でした。 その一方で、最近のケビン ラッド氏の人気は、野党連合のトニー アボット党首に2ポイントまで肉薄するまで上昇していました。
こうした状況もあって、遂に労働党は、現在のジュリア ギラード体制では9月の総裁選挙を戦っては壊滅的な打撃を受けて「前回のクイーンズランド州の大敗の二の舞になる」との危機感から、ジュリア ギラード氏を切り捨て、国民的に人気の高いケビン ラッド氏を党首に選んで、次の総裁選挙での党の生き残り作戦に打って出たのでた。
あまりにもドロドロした身内による権力闘争に、豪の政治担当の論説委員も「今回の労働党の党首選挙では、政治的な議論があったわけでもなく、また、政治理念に関する討論があったわけでもない。 ただ、このまま総裁選挙に突入すれば大敗することだけははっきりしており、それ故に自分達が生き残る為に国民的に人気の高いケビン ラッド氏を党首に選んだに過ぎない。 そこには、党利のみが優先して国民の姿は全く見えてこない」とコメントしています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “豪、党首に返り咲くケビン ラッド氏”
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なるほど、最近 日の出づる国で国民目線の議論がされたことがあるだろうか…ということですね。
やっと・・
豪州・・政治先進国・・日本に・・追いついた・・
リード・・出来るかも・・グッドダイ・・
最近・・
台湾国会・・女性議員・・殴り合っていた・・
ここまでは・なかなか・・追いつかないだろう・・・(笑)