2013/06/25 15:52 | 昨日の出来事から | コメント(0)
QE3縮小の影響を最も受けるのは中国?!
先週のこのコーナーでもご紹介した「QE3の縮小の影響はオーストラリアにも?!」に続き、その続編をお話したいと思います。
有料購読の読者には、先週末のウィークリー ミーティングでもお伝えしましたが、QE3縮小の見通しの影響は、アメリカ国内の株式市場や債券市場は当然のことながら海外ではエマージング マーケットや、資源国や高金利通貨(南アフリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジル、トルコ リラ)などの国々に及んでいます。 しかし、G20ミーティングでロシアの要人が「アメリカのQE3金融緩和政策の縮小の影響を最も受けるのは中国であり、その中国が今回の影響をどう乗り越えることが出来るかに注目している」と発言したように、実は、QE3の縮小の影響を受けているのは中国のようです。
それを裏付けるかのように、最近の中国株式市場は続落に続落を続け、私の住むオーストラリアでは、その中国の影響をモロに受け、債券市場は1日の下落としては2008年以来で最も売られて26bpも価格が下落し(金利が上昇し)、株式市場も大きく下がっています。また、為替市場は3.3年ぶりの安値をつけて取引されています。
また、QE3縮小観測の影響は、世界の経済だけでなく、一部の新興国の政治にまで影響を及ぼし、例えば、トルコやブラジルの大規模デモ発生とも間接的には結び付いているとの指摘もあります。
こうなってきますと、今回の日本の景気回復は、これまでは「アベノミクスと日銀による異次元の緩和政策によるもの」とマスコミを中心にその功績を称えてきましたが、「果たして、どこまでがアベノミクスと日銀による異次元の金融緩和の効果であったのか?」を改めて見直す必要がありそうです。
そして、もし、今回の日本経済の回復が、実は他の世界の国々がそうであったように、アメリカのQE3の恩恵によるものであるならば、今後は、日本もQE3縮小の影響をモロに受けることに対して私たちは準備する必要がありそうです。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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