2013/05/28 14:49 | 昨日の出来事から | コメント(2)
便りがないのは無事な証拠?! ではない!!
今週号の英誌エコノミストにユーロ圏の政治家たちを「夢遊病者」と題して、最近、表向きは落ち着いているように見えるユーロ危機について何もしない(何も出来ない)ヨーロッパの政治家について書いた記事がありましたのでご紹介したいと思います。
日本では、「便りがないのは無事な証拠」といって、家族や友人から便りがないのは、それぞれに無事安泰に暮らしているから敢えて知らせて来ないのであって、「知らせがないのはいい知らせ」となります。 しかし、ことユーロ危機に関してはそうではありません。
確かに、2012年に始まったギリシャ危機から先日のキプロスの銀行封鎖に至るまで、ユーロは何度もユーロ崩壊の可能性に直面し、この間、何度も財政危機に直面した国々に対する資金援助をすることで何とか切り抜け、現在は小康状態を保っていますが、だからと言って、これが無事安泰を意味するわけではありません。
そのことはヨーロッパの政治家もよくわかっており、また、やらなければならない事もはっきりしているのですが(例えば、ヨーロッパの銀行の管理監督の一元化)、自分のお国の様々な事情で身動きが取れないのです。 例えば、EUの盟主ドイツでは9月に選挙を控えており、今、ここで更なる資金負担を国民の要求することは選挙で非常に不利ですし、お隣のフランスでは、オランド大統領の支持率が、国内のスキャンダル等で24%と低迷して更に不人気となる財政削減や競争力を高める為の労働市場改革に手を付けることが出来ないのです。
また、南ヨーロッパの財政危機国では、これまでの厳しい財政削減と増税に「ユーロを離脱しろ!」とデモでは口々に叫びますが、その一方で、「じゃあユーロを離脱して、かつての自分たちの通貨に戻るのか?!」と言えば、そんなことをすればミルク1本すら買えない事ぐらい彼らは身を以て良く知っているのです。
英誌エコノミストはこのように何もしないヨーロッパの政治家を「夢遊病者」の集団だと切り捨て、やもすれば「このまま何もせずにいても何とかなりそうだ」といった雰囲気が蔓延しつつある現状を厳しく批判しています。
そして、最後に、「もし、現在のユーロの指導者たちが(選挙等で)引っくり返ったらどうなるか? それは、かつての日本のように何年にもわたり水面下に陥り、そのコストは想像を超えるものとなり、揚句に景気の低迷と景気後退によって民主主義は引き裂かれ、ユーロは分裂の危機に晒される。 もし、夢遊病者たちが通貨ユーロと自国民の事を思うなら、今こそ眠りから目覚めるべきである」としています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “便りがないのは無事な証拠?! ではない!!”
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日欧米がこれほど買いオペをしアメリカなんかリスク資産も買い上げている、いくら金をばら撒いても物価はさほど上がらない、なぜか、衣食住の物資が技術革新と研究開発のお陰で簡単に安くいくらでも作れる様になったからだ、その上シェール革命で人類は石油文明を永久に謳歌出来る事が確定した、実体経済の問題がなくなろうとしている、その物価さえ安定してれば通貨には何も問題はないのでは、だから財政赤字を垂れ流しても問題ないのなら通貨は政府紙幣だ。
睡眠薬を・・
飲ませましょう・・・