2013/05/17 14:49 | 昨日の出来事から | コメント(1)
日経平均15,000円とアベノミクス
遂に日経平均株価指数が15,000円台に乗せてきたことを受けて、私の住むオーストラリアでも、この話題が現地のニュースで取り上げられています。
思えば、2010年の5月のゴールデン ウィークに日経平均が11,000円近辺で取引されている時、読者の皆様にアンケートを取らせていただきました。 その時の質問は「今後3年以内に、15,000円と7,000円のどちらが先につけると思いますか?」というものでした。
アンケートの結果は、約45%の方が「15,000円を先につける」と答え、30%の方が「7,000円が先」と答え、残りの方がどちらもつかないというものでした。 結果は、ご覧の通り、あれからちょうど3年後の今週初めに15,000円をつけ、「15,000円を先につける」と予測した人の勝ちなのですが、どうも諸手を上げて喜べるものではないようです。 と言いますのも、2010年5月以降は、2011年11月にかけて、3,000円近くも売られて8,100円台まで値を下げたからです(その意味では、「引き分け」が正しい評価なのかもしれません)。
さて、今回の日本株の上昇ですが、日本では「アベノミクスの登場でここまで上昇した」とマスコミは囃し立てていますが、海外やここオーストラリアでは、あまりそのような評価はしていません。 何故ならば、今回の日本株も含めた世界的な株価上昇は、結局の処、「アメリカ経済の回復とその将来的な景気拡大期待によって上昇したと」の見方がもっぱらだからです。 勿論、日本の特殊要因としての民主党による機能不全政治がこれまでの日本の景気の足を引っ張ったことは事実であり、その重石が取れたことは非常に大きなプラス要因には違いありません。 しかし、だからと言って「じゃあ、アベノミクスがアメリカの株式やヨーロッパの株式を押し上げたか?」と言えば、誰もそのようには考えていないのです。
更に思い起こせば、2006年の第1次安倍政権の時の日経平均株価は16,000円台で推移し、その当時の為替の水準は1米ドル=110円台で取引されていました。 その意味では、今回の日経平均の15,000円台乗せと為替の100円台回復の意味することは、海外要因ではリーマン ショックとギリシャに端を発したヨーロッパ信用危機があり、一方の日本国内では、自然災害としての東日本大震災と福島第一原発事故という未曽有の人災、そこにとどめを刺すような民主党による機能不全政治(incompetent government)によって私たちはそれこそ生き地獄を見、今、ようやくその地獄から戻りつつあることを示しているという事ではないでしょうか。
確かに民主党による機能不全政治は除去できました。 だからと言って自民党政治が、今後、機能するとは限りません。 また、リーマン ショックはなんとか克服できました。 しかし、ヨーロッパ信用危機は、その根底においてまだ進行中です。 そして、東日本大震災や福島第一原発の復興はまだ道半ばであり、本当の意味での復興とその負担の問題はこれからが正念場なのです。
その意味で、ここから(日経平均で15,000円台から)上の水準は、これまでのような一本調子ではなかなか上昇できないのではないかと考え始めています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “日経平均15,000円とアベノミクス”
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日本では安倍の支持率は高いが、欧米ではまったく評価されていないんだと思う、「美しい国、日本」なんて幼稚な言葉でも笑われているんだと思う、何処が美しい国なんだと、明治以来富国強兵を国策に軍国主義で国家運営して大戦で徹底的に叩かれ無条件降伏をさせられた、そのお陰で軍国主義から平和主義へ、天皇主権から国民主権に、農地改革で封建制が消滅した、罵っていた鬼畜米英のアメリカによってまともなこんな良い国になれたんだろう、「美しい国、日本」と胸を張って言っている安倍を見ると幼稚すぎて恥ずかしくて頭が垂れる、靖国参拝や従軍慰安婦は中韓にとっては反日教育や反日宣伝で格好のテーマだ、わざわざ日本が騒ぎ立てることは愚の骨頂だ、A級戦犯を祭っている靖国にどうしても参拝しなければいけないのか、国益から考えてほんとにどうなんだ、無条件降伏をしたことを忘れたらいけないんじゃないか。