2013/04/26 14:50 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪ドル高に苦しむ豪製造業ですが、、、
今週号の英誌エコノミストに最近の豪ドル高によってオーストラリアの輸出業、特に製造業が大きなダメージを受けていることに関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
現在の豪ドルの水準は、通貨バスケット方式で28年ぶりの高値をつけています。 これは豪ドルが1980年台に導入されて以来の最高値を更新していることを意味し、その影響はオーストラリア経済に少なからず出ています。
先日もご紹介しましたが、ホルデン(フォードと合弁の豪最大の国内自動車メーカー)が500人の人員削減をしました。 これは何も今に始まった事ではなく、5年前には三菱自動車が豪の現地生産を撤退し、こうした人員削減はトヨタ、フォードの現地工場においても同様の動きが出ています。
その一方で、通貨としての日本円については、リーマンショック以降では25%以上も円安豪ドル高が進み、今、目敏い日本の企業は積極的に輸出攻勢をかけ、最近では、日本の洗濯洗剤の「アタック」が、ブリスベンのスーパーで大安売りキャンペーンをしています。 何しろ、オーストラリアでは、一般的には洗濯洗剤は1箱7ドル(日本円で約700円!!)で売っており、 日本国内で、200円台で売っている日本の洗濯洗剤に比べてべらぼうに高いのです。
さて、このようなお話をご紹介すると読者の皆様は「こんな話を聞けば、豪経済はもうだめで、今後は豪ドルは高くて買えないな」とお考えかもしれません。 確かに、目先的には豪経済は豪ドル高に苦しんでいますが、その一方で、この国のポテンシャル(潜在成長率)はとても高いのです。
たとえば、人口一つとってみましても、日本の人口は国立社会保障・人口問題研究所の推計に依れば、2048年には日本の人口は今から20%以上減少して1億人を割り込みます。一方で、オーストラリアは、先日、人口が2300万をようやく突破しましたが、2050年には何と4600万人に倍増すると予想され、 この国の人口の増加率予測はどの先進国よりも高く、また、これまで爆発的に増加してきた中国やインドの今後の人口の伸び率よりも高いのです。
目先の為替相場の上げ下げはさて置き、10年、20年先の期間で将来の為替動向を考えた時、円を保有する方が有利なのか、それとも、、、、、、
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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