2013/03/21 05:59 | 昨日の出来事から | コメント(0)
何だ!かんだ!と言っても、アメリカ!!
今週号の英誌エコノミストに「The America that works」と題した記事がありましたのでご紹介したいと思います。
日本にしてみれば、アベノミクスの登場で大きく円安になり、これを受けて株価も大きく上昇していますが、世界的に見れば、現在の世界的な景気の拡大基調は、実はアメリカの景気の回復基調を反映したものであって、残念ながら日本のアベノミクスで世界景気が回復しているわけではありません。
今年の初めには、「財政の崖」問題でアメリカ景気が大きく落ち込むリスクにさらされましたが、去年あたりから、アメリカの住宅市場はこれまでの不良債権処理も終わって回復基調に転じ、更にはシェールガス好況がこれを後押しして、住宅市場は上昇に転じています。 また、景気循環的に製造業を中心に在庫調整や雇用調整も一巡して労働市場も改善してきています。
こうした状況の下、3月28日から強制的に財政支出を削減する法案が成立しますが、今のアメリカ経済には、これマイナス要因を吸収して引き続き景気拡大をする力がありそうです また、連邦政府においては引き続き大統領と議会の紛争は続いていますが、これとは別に地方政府では、今回の景気回復の機を捉えて教育改革やエネルギーに関する税制改革等を独自に進めています。
いわゆる「アメリカにおける一つの州は、まるで一つの国家に相当し、こうした仕組みこそがアメリカのアメリカゆえんでもある」と英誌エコノミストは指摘しています。 例えば、ネバダ州やルイジアナ州では法人税や個人の所得税の一部廃止を目指し、オハイオ州では一部の教育機関の民営化を検討し、ヴァージニア州ではガソリン税の見直しの動きも出ています。
このようにみると、アメリカの将来は、このまま行けばバラ色のように見えますが、その一方で連邦政府としてやらなければならないこともあります。 例えば、今後も増え続ける医療や年金は、2037年にはGDP対比17%まで膨れ上がると試算されており、とても持続維持可能な水準ではありません。 オバマ大統領も共和党もこうした問題に何も手をつけないのであれば、全ては台無しになってしまうと英誌エコノミストは指摘しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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