2013/03/19 06:11 | 昨日の出来事から | コメント(1)
キプロス ショック?!
今週号の英誌エコノミストにキプロス救済措置に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
この件に関しては、読者の皆様もご存じのように、先週末にユーロ圏財務相会議では、キプロス政府に対して、100億ユーロ(130億ドル、日本円で約1兆2500億円)の支援を行う代わりに、10万ドル以上の預金者に対して9.9%、10ドル以下の預金者に対して6.7%の課徴金を科すことが提示されました)実質的に預金減額)
これに対して、キプロス政府は、10万ドル以下の預金者の課徴金の軽減(6.7%から2.5%)と、10万ドル以上の預金者は9.9%から12.5%に引き上げる修正協議をEUに対して提案している模様です(自国民の多くは10万ドル以下の預金に対して、10ドル以上の預金の多くがロシアや南ヨーロッパの富裕層の預金の為)。
このことを聞きつけるや、キプロスの銀行に預けている預金者が、ATMに預金引き出しに殺到してATMの現金は枯渇し、電子取引による預金引き出しは停止されました(実質的に一時的な預金封鎖)。
英誌エコノミストは、「僅か100万人にも満たない国の破綻した銀行の救済策を巡って、ようやく落ち着きを見せ始めたユーロ危機を再燃させるのは全くもって愚かなことである」とEUの対応を厳しく批判しています。
また、「キプロスの銀行には、ロシアのアングラマネーや南ヨーロッパの富裕層の脱税逃れの資金が大量に流れ込み、キプロスの銀行の預金残高は、キプロスGDPの8倍にまで膨れ上がるほど異常な状態となっており(他国ではアイスランドの銀行預金残高は、GDP対比10倍、アイルランドでは同8倍、スペインでは3.5倍等)、 こうした異常な銀行預金の状態を改革させるためにも、今こそユーロ圏の銀行統合に向けた議論と行動を必要であり、キプロスはその最初のステップとすべきである」としています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “キプロス ショック?!”
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何をやってでもユーロを防衛する不退転の決意が窺えますね、ユーロ圏の人達ももう腹を括っているのでは、これでいいんだと思う、それに比べ日本の政治家や官僚の原発行政や財政赤字の垂れ流しのだらしなさときたら呆れてものが言えない、ほんと日本の政治家は駄目だは。