2012/08/30 06:42 | 昨日の出来事から | コメント(1)
世界で不動産を買うとしたら何処?!
先週号の英誌エコノミストに世界の不動産市場に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
リーマンショック前夜の2007年を基準として、2012年の現時点で最も不動産価格が上昇しているのは香港で2007年対比61,6%も上昇しています。 それに続くのがシンガポールで21%の上昇となっていますが、これらの国の不動産価格上昇率はここにきて大きく失速してきています(香港で1年前に比べて6.4%の上昇にとどまり、シンガポールに至っては僅かに1.9%の上昇にとどまっています)。
一方で、最近、不動産市場がしっかりしているのは、読者の皆様もお気づきかと思いますが、ドイツとその近隣諸国です。 特にオーストリアは2007年対比で23.1%上昇し、前年対比でも11%の上昇となっています。 また、同じくスイスも2007年対比20.9%の上昇であり、前年対比で4.6%の上昇です。 更にはベルギーでも2007年対比+13.2%、同前年対比で+2.1%となっています。
そしてEUの盟主ドイツは2007年対比で7%の上昇であり、前年対比で2.5%の上昇となり、この2年間では5.7%の上昇となっています(ちなみに、ドイツはベルリンの壁崩壊後、東ドイツを取り込んだことによって20年近く景気は低迷しました)。
また、私の住んでいるオーストラリアでもかつての勢いはなくなり、2007年対比で9.8%の上昇ですが、前年対比では2.1%の下落になっています。
さて、これまでとは反対に不動産価格の下落が著しいのは、アイルランドで2007年対比49.8%の下落、前年対比で14.4%の下落であり、これに続くのが今問題となっているスペインで2007年対比で22.4%の下落であり、前年対比で8.3%の下落となっています(それでもスペインの不動産市場は割高と英誌エコノミストは指摘しています)。
これらのヨーロッパ信用問題国とは別に不動産価格の下落が著しいのはアメリカであり、2007年対比で27.8%の下落で、前年対比では0.7%の下落となっていますが、こちらは不動産価格に割安感が出ており、一層の下落感はもうなくなってきています。
そして私たち日本の不動産ですが、2007年対比13.1%下落し、前年対比でもまだ2.9%の下落となっていますが、賃貸収入から見た割高割安を見た場合、日本の不動産市場は最も割安になっています。 しかしながら、こうした割安感は既に数年が経過していますが、だからと言って不動産価格が上昇に転じる兆しは未だ見えません。
以上のお話をしておきながらこんなことを言うのも何ですが、不動産価格や不動産市況なんていい加減なものです。
そのことの典型的な例を一つ申し上げれば、それは私事で恐縮ですが、去年までは、猫の額のような狭い土地に建つ私のあばら家の周りには「売地」看板があちこちに立って不愉快な思いをしていたのですが、最近、(噂によれば)世界で1,2位と言われるアメリカの大富豪が、近所に8000坪の土地を取得し、建坪1500坪、総工事費80億円、地上1階、地下3階でヘリポート付と言われる別荘の建築工事が始まるや、周りの「売地」の立て看板が一斉になくなってしまい、それを見た私は 「所詮、不動産市況なんてそんなものか!?」と呆れたのでした。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
One comment on “世界で不動産を買うとしたら何処?!”
ペルドン にコメントする コメントをキャンセル
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
スペインの不動産市場は割高と英誌エコノミスト・・
まだまだ・・
銀行の負債・・成長する・・含み・・
確かに・・
感覚的に・・スペインの不動産価格・・
国情からすれば・・お高いのでは・・?
「売地」の看板・・消えた・・
では・・
売地の看板・・すかさず・・立てましょう・・(笑)