2012/02/22 05:55 | 昨日の出来事から | コメント(2)
実は、ユーロ危機は既に峠を越した?!
最近、各国間でユーロ危機が自国や近隣諸国やその地域に伝播する前に、事前に手を打つ動きが見受けられます。
例えば、日本と中国が、1997年のアジア通貨危機の教訓から出来たチェンマイ イニチャチブを更に推進して、ユーロ通貨危機がアジアに悪い影響が及ぶ前に、弱くなった通貨に対して事前に資金を融通する枠組み作りに合意した報道に対し、私は少なからず驚きました。
また、ここオーストラリアでも、RBA総裁Glenn Stevens氏が、政争に明け暮れる現政権と議会に対して、リーマンショック後の2009年四月に設立されたFSB(The Financial Stability Board:金融安定化理事会)を更にもっと強固なものにする為の法案作りを強く要求しています。 これは、アメリカの金融監視委員会the Office of Financial Researchに倣ったオーストラリア版金融監視委員会の事で、特にOTC(Over the counter)金融派生商品の透明性を高める為の検査権の強化を訴えています。
このように、今、渦中のヨーロッパでは、ギリシャの第2次支援策を巡って最終調整段階にありますが、その一方で、それ以外の地域や国々では、ユーロ通貨危機が自国に及ばないよう多少なりとも手を打ち始めています。
本来、危機やパニックとは、予想もしないタイミングで起こり、その対処方法が出来ていない時に起こります。このように考えてみますと、現在のユーロ通貨危機は、既にある程度の事前の準備と、それなりの対処方法が構築されつつあることからして、一旦は終息に向かっていると思われます。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “実は、ユーロ危機は既に峠を越した?!”
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定期公演が待っております・・・
世界で金融問題が起こったのはそもそもアメリカが多国籍企業とかグローバリゼーションとか言った趣旨や背景に金融立国を目指す戦略があったのじゃないんだろうか、アイスランドもアイルランドも金融立国政策を採用して大失敗している、やっと金融立国なんて幻想なんだと分かって金融規制に取り掛かっている途中が今現在なんじゃないんだろうか。