2010/03/04 05:29 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、2009年第4四半期のGDPは0.9%上昇
昨日、オーストラリアの2009年第4四半期のGDPが発表され、前の四半期に比べて0.9%上昇しました(ちなみに第3四半期はプラス0.3%でした)。 この0.9%の上昇は、2年振りの大きな数字で、季節調整後の年率で2.7%の経済成長となり、ヒストリカルな平均的経済成長率である3%に近く、昨日のRBAの政策金利の引き上げの妥当性を支持した形になっています。
主な内訳は、民間投資が3.5%増加し、公共部門が10.2%増加しています。一方で、住宅部門は0.2%の増加にとどまっています。 また、貿易部門では輸入が、7.7%増加したにも関わらず、ネットでは、1.7%の輸出超となっており、資源関連を中心に好調さを示しています。
政府のWayne Swan財務長官は、
(1) オーストラリアは先進国の羨望の的である(それほどオーストラリアの経済は絶好調であることが言いたかったようです)。
(2) 今回の数字は、政府の景気刺激策と民間部門の需要の回復が増大したことによって裏付けされている。
また市場関係者では、CommSec equities のエコノミストSavanth Sebastian氏は、
(1) オーストラリアの経済は、他の国が景気の低迷に苦しむ中、19年連続で経済が成長しており、先進国の中で最も強い経済成長をしている国である。
(2) 製造部門は拡大し、住宅建築が伸び、失業率は低下傾向にあり、景気信頼度指数は恒常的に高く、公的部門の赤字も健全な範囲内にとどまっている。
とコメントしています。
また、今後の見通しについて、Westpacのエコノミストは、
(1) 住宅部門と現在続いている公共投資の好調さが2010年の経済成長のカギとなりであろう。
(2) また、世界経済の回復と貿易の回復も豪経済を下支えしそうである。
(3) これによって、設備稼働率が今より上昇し、このことが設備投資資金需要を喚起しそうである。
とコメントしています。
今日のコメントを書いていて、とても引っかかったのは、オーストラリアは“19年間経済成長”を続けていることです。 しかるに、日本は、“19年前とほとんど変わらない水準”にとどまっています。しかもその裏では大量の国の借金に支えられてやっとこの水準です。
もういい加減に、政府と日銀でデフレ対策の責任をなすりつけ合うのをやめて、それこそ国を挙げて行動を起こす時のような気がします(具体的には、金融政策ではインフレターゲットの導入、財政としては、増税と年金の棚上げ、更には医療や介護費用などの大幅な負担を国民に迫る事なのですが、そんなことはとても出来そうにありません)。 と言うことは、ヨーロッパのギリシャに見られるように、日本は既に、自らの力では財政規律を回復できない水準まで来てしまっているのではないかと思い始める今日この頃です。
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