2011/09/22 05:11 | 昨日の出来事から | コメント(2)
日本の電気料金は非常に割高!!
今週号の英誌エコノミストに日本の電気料金が他のOECD加盟国対比割高である背景について特集がありましたのでご紹介したいと思います。
ご存じのように、日本の電力事業はそれぞれの地域毎の電力会社(地域独占企業)によって運営されており、その運営形態の源は、第2次世界大戦以前の日本の軍国主義の頃まで遡らなければなりません。
たとえ、そんな古い運営形態であったとしても、国民生活に安さと便利さを供給しているならばまだいいのですが、実際はそうではありません。 日本の一戸当たりの電力コストは、OECDの調査に拠れば、アメリカやフランスの2倍、 お隣の韓国やカナダの約3倍も高いのです。 これらの国では、緩いながらも電力規制緩和が行われ、1999年から2005年にかけて電力コストが16%下落した一方で、日本の電力価格は逆に上昇しており、そのことが電力料金格差を更に拡大させています。
また、今回の東日本大震災の影響で国内の多くの原子力発電所の運営が停止していますが、もし、この状態が1年間続けば、国内の電力供給不足によって日本のGDPを3.6%押し下げ、更に20万人の雇用が失われると試算されています。
一般的には独占企業は、効率が悪く競争原理が働きませんので自らのコストを下げるインセンティブは働きません。 寧ろそれまでの既得権益を守り、更にこれを拡大して利益の極大化を図ります。 例えば、古い巨大恐竜企業東京電力(エコノミストはそう比喩しています)は、昨年に広告料と企業プロ―モーション費用に260億円もの費用をつぎ込み、その影響力は政治家にまで深く及んでいます。
前にもお話しましたが、「原子力発電は発電コストが安い」とこれまで言われてきましたが、それは全くのウソで、「自分たちの採算(儲け)が始めにありき」で、そこから儲かるようにコストを逆算しているだけなのです。 従って、本来、考慮すべき自然災害や自分たちにとって都合の悪いコストを無視(もしくは捨象)した結果が「うわべだけの安い電力」になっただけなのです。 その事は、今回の福島第一原発事故でイヤというほど私達は思い知らされました。 そして、彼らの言う「安定的かつ安い電力供給」というキャッチ フレーズも、実は世界の他の国対比で非常に割高なものなのです。
今、「福島第一原発事故の賠償の為に東京電力は存続させる必要がある」との議論がありますが、それ以前に、「そもそも論」として、私達はこうした地方独占電力事業(古い巨大恐竜企業)を今後も存続させて、高い電力料金を負担し続ける必要が本当にあるのかどうか、あるいは規制緩和をしてより安い電力供給を求めるのかの議論をする必要があります。 しかし、今の状況は、こうした「そもそも論」を避けて原発事故賠償の名の下にこれまで通りの電力事業を維持する事に躍起です(不思議なことに財界も政治家もそろって)。 当然のことながら、英誌エコノミストは「今回の出来事を契機として、これまでの事業形態を見直し、規制緩和をすべき」であり、それが次の世代の雇用と景気の拡大につながるとしています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “日本の電気料金は非常に割高!!”
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ただし、政・財・官、特に官僚が東電という毒饅頭を食べてきているせいで、東電を潰さないのでしょうが、頼みの政治家も及び腰なのでどうしようもありません。
まったくどうしたらいいのでしょうか。
英誌エコノミストは「今回の出来事を契機として、これまでの事業形態を見直し、規制緩和をすべき」
御説御尤も・・
東電は日本を潰す処だった・・
しかも・・まだ終焉とは・・ほど遠い・・
流される・・泥鰌内閣の楽観・・国際の場で・・
たどたどしい英語のスピーチ・・
たどたどしい政治力・・
傷の深みに・・右往左往する・・我等・・
英エコノミストの鞭が・・待っているか・・・