2010/09/14 05:38 | 昨日の出来事から | コメント(1)
バーゼルIIIからみた今後の世界の株価
いよいよ、今日は民主党代表選挙の日です。 事前の予想では菅代表が優勢との見方が出ていますが、実際のところはどうなのでしょうか? 今日の選挙結果次第では、為替、株価が大きく動き可能性があります。ここオーストラリアでも、日本の民主党代表選挙の行方が注目されています。
ところで、今月12日、BISの「銀行に対する自己資本の新規制(バーゼルIII)」が発表されました。 それによれば、中核的資本(所謂、Tier1:普通資本及び内部留保)を最低でも4.5%を確保し、不況時でも更に2.5%を上乗せして7%を確保し、好況時でも各国の状況に合わせて9%まで確保することを決めました。 また、実施時期は、当初(リーマンショック前に想定した時期)から大幅に遅れて2019年と約10年の猶予期間を設けています。
ちなみに、2009年9月末時点での日本のメガバンクの狭義の自己資本(Tier1)は、三菱UFJファイナンシャル グループで6%前後、三井住友ファイナンシャル グループで4.5%、 みずほファイナンシャル グル―プに至っては3%台前半しかありません(その後、2010年にかけて各行は増資を行っていますが、それでも全然足りません)。
しかも、いまだ不良債権処理や貸し倒れ引き当てに追われ、内部留保は既に枯渇した現状にあって、狭義自己資本の増やす方法は、普通株式発行による増資以外にその手段はありません(優先株はこれに該当せず、また、金融機関同士の株の持ち合いも相殺されます)。 ただでさえ ヘロヘロの日本の株式市場は、今後、銀行の大量の普通株発行圧力に再び晒されることになります。 しかも、その増資は将来の収益を生む為の投資ではなく、金融危機に備えるためのリザーブ(準備金)の為の増資に過ぎません(そういう意味では収益性ゼロの増資)。
今回のバーゼルIIIは、当初こそ、これまでのバーゼルIやバーゼルIIと同様に日本叩きの感がありましたが、リーマンショック以降は様相ががらりと変わって、 アメリカや、特にヨーロッパの多くの銀行が、このバーゼルIIIを満たす為にかなりの増資をしなければならず、今やヨーロッパの銀行叩きの規制に様変わりしてしまい、その点ではちょっと溜飲の下がる思いがします。 特にPIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)の銀行が大変そうで、これに関しては多くのリサーチ機関が、銀行の必要増資額を予測していますが、私達、日本人は、そんな予測の何倍も、否、場合によっては何十倍もの増資が必要であることを経験上よく知っています。 何故ならば、1990年代から2000年代かけて、毎年のように日本の金融機関は「これで不良債権処理は終わった」と胸を張って発表しては、翌期には再びおびただしい不良債権の引き当てを行い、また、大量の増資を発表するたびに「今回の増資で銀行経営は安定する」と言っては、翌年には再び増資計画を何食わぬ顔で発表してきた歴史を知っているからです。
これで、「先進国の金融株が上昇する話は、数年単位でないな」と思いつつ、「誰がここから更に銀行株を買うのだろう」と思案をし始めたのですが、 いやいや、そんな慣れっこの話はさておき、「今日は、代表選、代表選」と頭を切り替えるのでした。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
One comment on “バーゼルIIIからみた今後の世界の株価”
ぺルドン にコメントする コメントをキャンセル
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
新首相が・・
早めに・・銀行の手当て・・株を担保に・・
欧米でも・・
注目される・・今日一日・・
確立二分の一・・当てられないようでは・・
今日を記念日として・・減量するぞ・・
一周年・・一年・・誕生日・・
この言葉は・・禁句・・台所から・・包丁が・・飛んでくる・・・