2010/02/07 07:10 | 昨日の出来事から | コメント(1)
報道のあり方について
去年の暮れから先週にかけて、日本では政治資金収支報告書に絡んで「政治家とカネ」のあり方の問題が話題になる一方で、同時並行的に「報道」のあり方についても話題になりました。
私は、検察と報道機関とのやり取りについては、全く知る立場にありませんので何もコメントできませんが、ただ、「報道のあり方にも色々問題があるなあ」 と身近に感じる出来事が私たちの周りでも起こっていることに気付きましたので、今日はそのことについてお話します。
それは、先週の木曜日の事(2月4日)です。 その日は皆様もご存じのように為替市場は大荒れし、特にユーロは円に対して5%近く暴落した日です。 私はユーロ圏の財政赤字の多い国(PIGS: ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)の中でも、特にギリシャの財政再建問題でギリシャの労働組合が政府の財政再建計画に反対したことがきっかけにユーロが急落したと認識していたのですが、 翌日の新聞や各社のマーケットコメントを見て唖然としました。
ある有名な金融専門情報会社では「アメリカの景気の先行に懸念が出て云々」 とか、日本のある大手新聞でも「翌日、発表されるアメリカの失業率を前に、何チャラカンチャラ」 等、アメリカの景気先行きの対する懸念から為替は急落したとの記事が大半を占めました。
確かに、そういう部分も無きにしもあらずですが、それではユーロが5%近くも下落した説明になっていません!(ちなみに米ドルは、その日は円に対し約2%の下落でした)。
日本の報道は、殆どのケースでアメリカの出来事で片づけようと(あるいは、故意か無意識かわかりませんが、そう仕向けようと)していると捉えられかねないほど、報道が偏っている(あるいは歪んでいる)と感じずには居られません。
以上のように日本の報道はアメリカに偏っていますので、出来ればヨーロッパの報道(フィナンシャル タイムズとか英経済雑誌エコノミスト)にも目を通されることをお勧めします。
(以前、私はロンドンに出張した時に中東のCNNと言われる「アル ジャジーラ」の衛星テレビをホテルで見ましたが、彼らの報道はそれなりに説得力のあるニュースでしたし、アメリカのCNNとのバランスを取る意味でもとても役立ったことを思い出します)。
最後に、先週のユーロ急落につきましては、今週の私の有料ブログ「ウィークリー ミーティング」で詳しく説明しています。 また、今日のコメントの中に出てきましたPIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)については、ぐっちー編集長が詳しく話されていますので、それをご覧ください(うっ、これって、宣伝か? (汗))。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “報道のあり方について”
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おっしゃる通りです。
ホンダの決算発表の翌日の日経新聞は!
「タイでフィット、国内でステップワゴンが売れて増益へ」
しかし、決算内容を見ると、四輪・二輪ともに前期比3分の1!でファイナンスが大きな伸び!
ソニーの決算発表の翌日の日経新聞は!
「年末に液晶テレビがよく売れた}
しかし、ここもファイナンスで伸びているだけですね!
ファイナンスの利益を否定しませんが、
受ける印象がかなり違いますね!