2011/08/24 05:31 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、RBA副総裁の講演から
昨日、豪、RBAの副総裁Ric Battellino氏がシドニーで講演しました。 主な内容は以下の通りです。
(1) 最近、豪の(鉱山部門を除く)経済に対し、RBAがインフレ引き締めの為にこれまで取ってきた政策金利が高すぎるとの批判があるが、私はその考えに同調しない。 何故ならば、長期的なインフレ見通しは、引き続き目標とするレンジの上限を越えているからである。
(2) 確かに、最近の世界的な金融の不確実性(ヨーロッパのソブリン危機とアメリカの景気下振れ懸念)と、それに伴う金融市場の乱高下に対して、RBAはその動きを注視している事は確かである。
(3) だからこそ、前回の定例理事会では政策金利の据え置きを決定した。何故ならば、現在の政策金利を変更するかどうかを判断する為の判断材料が、今のところまだ限られているからである。
(4) 従って、今後の政策金利の動向は、今度の世界の景気動向、及び国内の景気指標を注意深く見守る中で判断されていく。
(5) 昨年11月に現在の政策金利(4.75%)に引き上げた際、豪大手銀行は金利先高感から政策金利対比0.4%以上も割高な貸出金利を設定した事が、景気(特に住宅ローン貸し出し)に悪影響を与えた部分がある。
一方で、現在の短期金利市場では、80%の市場参加者が9月のRBA定例理事会で政策金利の引き下げはあると考えており、1年先のフォワード短期金利に至っては、1.5%(150bp)の政策金利の引き下げを織り込んだ水準で取引されています。 これは、何も実際に市場関係者が150bpも政策金利の引き下げがあると考えているのではなく、10年国債金利が4.3%程度まで低下している為(政策金利4.75%に対して0.45%以上も下回る逆イールドになっている為)、そこから算出されるイールド カーブの1年物金利が3.25%となってしまう為です。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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