2010/08/24 05:36 | 昨日の出来事から | コメント(1)
豪、総選挙、未だ政権与党が決まらず
先週の8月21日に行われたオーストラリアの総選挙は、与党労働党が73議席、野党である自由党連合が73議席で、政権を担う為に必要議席である76議席にどちらも届かない状態が続いています。
残りの議席は少数政党であるグリーンが1議席、無所属が3議席となっており、これら4名の議員がどちらの政党を支持するかで決まるキャスティング ボート(Casting vote)を握っています。
労働党、野党自由党連合は、これらの議員を取り込むために、自分たちの選挙期間中のマニフェストの見直しや修正をしてまで、彼らを取り込む事に躍起になっています(少数政党やたった3名の無所属の為に、その他の多くの国民とのマニフェストが大きく歪められようとしています)。 また、これら無所属議員は、この時とばかり自分に有利な条件を引き出す為の「ゴネまくり」作戦に出ています(この辺りの事はウィークリー ミーティング823「豪の総選挙は、『Hang Over:宙づり、持ち越し』に」をご参照ください)。 現地新聞は、こうした事態に「少数政権誕生!」と皮肉っています。
その結果、為替市場、株式共に先週の終値から急落して始まりましたが、引けにかけては買い戻されて、一旦は、落ち着き見せています。
ところで、オーストラリアの選挙制度のユニークな処をご紹介します。それは、
(1)オーストラリアの選挙は「義務投票制」であり、正当な理由もなく投票しない場合には罰金(連邦選挙で20ドル、地方選挙(例えばシドニーのあるNSW州)では25ドル)が取られます。 従って、オーストラリアの投票率はいつも90%以上を越えます。
(2)それから、全ての選挙候補者に優先順位をつけて投票しなければいけません、第1位の候補者が50%を得票すれば、そのまま当選ですが、 そうでない場合は、一番少ない候補者の票を残りの候補者を順位毎に割り振り、一番の候補者が50%を越えるまで、これを繰り返します(候補者の多い日本ではちょっと馴染みません)。
ところで、日本では、2009年に民主党政権誕生以来、日本にも2大政党政治が幕開けし、それまでのような自民党一党独裁政権から政権を選択する時代に変わってきました。 この際、日本も「義務投票制」にしてはどうでしょうか?そうすれば国民の政治に対する参加意識は格段に高まるような気がしますが。
事実、こちらオーストラリアでは、日頃はあまり政治には関心を示さない若者達までも、今回の選挙結果の行方には固唾をのんで見守っています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “豪、総選挙、未だ政権与党が決まらず”
ぺルドン にコメントする コメントをキャンセル
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興味ある制度ですね。
我国の・・投票率を見ると・・これで・・有効なのか・・多々疑問・・
与野党で・・是非検討・・少数政党は・・反対かな?!