2010/08/20 05:32 | 昨日の出来事から | コメント(0)
為替介入の可能性について
いよいよ、市場では様々な噂や思惑が飛び始め、昨日には「為替介入が入るのでは?」とか「日銀が臨時政策委員会を開いて更に金融緩和を発表するのではないか」との噂が市場を駆け巡りました。
結局の処、実際には為替介入や金融政策に関する具体的な行動はありませんでしたが、近く日銀は、市場への資金供給を20兆円から30兆円に増額し、あるいはBOJの資金供給オペ(新型オペ)の期間を6カ月まで延長するなどの金融緩和政策を検討しそうです。
ところで、為替介入の可能性についてですが、私は政府高官や日銀が「口先介入」をする事はあっても、実際にすることはないと考えています。 理由は、
(1)一昨日の当コラム「円高、円高とおっしゃいますが、、、」でも申し上げましたが、現在の表面上の円高は、1994年頃の円高と違って実効為替レートでは寧ろ過去20年間の平均値を下回る円安であり、円売りドル買いの為替介入を正当化する根拠がありません。
(2)また、今、世界の主要各国が注目しているのは「中国当局がどのように現在の中国元安を是正していくか」であり、こうした状況で日本が単独で為替介入を行って円安に誘導することは、中国が元安是正政策を実行する上で阻害要因になるだけでなく、他の主要国からも批判を受けかねない(少なくとも同意が得られない)からです。
英経済雑誌エコノミストは、「今、世界で展開されている自国通貨安競争は、究極的には、新たな大西洋を挟んだ緊張(ユーロと米ドルの経済摩擦)、もしくは太平洋を挟んだ緊張(米ドルと円との経済摩擦)を引き起こすであろう」と指摘しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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